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冥土の土産

 「八十里越ってオレが生きているうちにできるんだろっか。下田から福島の只見町まで車で通ってみてえけど、開通するのはオレが死んでしもたあとらろっかね」と聞かれた。
 「大丈夫ですよ、きっと」と答えたが、本当のところは分からない。
 「我や先、人や先、今日とも知らず、明日とも知らず、遅れ先立つ人は元のしずく、末の露より繁しと言えり。されば朝には紅顔ありて夕には白骨となれる身なり」と蓮如上人も書いている。
 人間、いつ死ぬのか分からない。
 年上のその人がピンピンしているうちに、こっちが先に旅立つかもしれない。
 その人がこの先、どのくらい長生きするのかは分からないが、国道289号線八十里越は、あと5年で開通するそうだ。
 これまで「いつできるのか」と何度問われても時期を示すことを避けてきた国土交通省がことし3月、ようやく「今後5年程度での全線開通を目指す」という目標を示した。
 事業が予定通りに進めば令和8八年までに開通する。

 明治時代の下田出身の衆議院議員、西潟為蔵氏が開さくに努め、田中角栄元首相も期成同盟会の会長として事業促進に尽力した八十里越。昭和45年に国道に昇格し、滝沢亮三条市長が生まれた61年に事業化した。
 延長20・8㎞。うち県境の11・8㎞が国の直轄施工箇所で、その9割近くが11か所のトンネルと、10か所の橋となっている。
 なかには延長3・2㎞の長いトンネルもあれば、地上高81mという高層ビルのような橋もある。
 急峻な地形での難工事のうえ、豪雪地帯のため施工が4月末から11月までの7か月程度に限られているため、完成までに時間がかかっている。
 全体事業費は695億円。進捗率はことし3月末でようやく91%となった。

 17日に初めて現地を視察した花角英世知事は
 「改めて大変な工事と実感したが、新潟、福島両県民が待ち望む道路であり、可能な限り早く完成させてほしい」と述べ、開通後の観光・経済交流に期待した。
 みんなが無事、開通まで生き延びることができますように。

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