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2020年11月27日

スローライフ スロー待合室

 医療機関の待合室は、そこにいるだけで眠くなる。
 大きな病院と比べると小さな医院はより眠くなる。
 風邪などで体調を崩しているからだろうか。
 いや、インフルエンザの予防接種を受けに行ったときも眠くなった。体調とは関係がないようだ。
 待合室には人を眠くさせるような独特な仕掛けがあるのだろうか。

 待合室の雰囲気は医院によってかなり違う。
 ゆったりとした空間に、リラックスできる色調のソファーが置いてある待合室もあれば、パイプいすが並べてあるだけの待合室もある。
 絵画など芸術作品が飾られている待合室もあれば、食事などに関する注意が書いてある製薬会社提供のくたびれたポスターが何年も前から張られたままの待合室もある。

 雑誌が置いてある待合室もある。
 『文芸春秋』(文芸春秋)や『Pen』(CCCメディアハウス)などが一般的だが、『ビッグコミックオリジナル』(小学館)などがあると「先生もマンガを読むのだろうか」と想像し、『女性自身』(光文社)があれば「看護師さんもゴシップネタが好きなのかな」などと思う。
 『週刊実話』(日本ジャーナル出版)や『アサヒ芸能』(徳間書店)が置いてあったら面白そうだが、これまでその手の雑誌を待合室で見かけたことはない。

 いまは感染症予防のため、どの医院も雑誌を撤去、待合室も患者が間隔を開けて座るよう、ソファーやいすに×印などをつけている。
 そこに座らないでという意味だが、気付かず座るお年寄りもいる。
 受付時にはカウンターに並んで順番を待つ。
 自分の番が来てからバッグの中の財布を探し、財布の中にあるはずの受診カードと保険証を探し始める。
 なかなか見つからない。
 しばらくして「アッ、こっちの方らったて」と別の財布から保険証を出す。
 財布をふたつ持つのも個人の自由だ。
 受診後、ソファーで待っている間に財布を出しておいてもいいのに、呼ばれてカウンターに行ってから財布を探し始める。
 まあ、待合室で急ぐ必要はない。
 ゆっくりとした時間が流れているから、眠くなるのかもしれない。