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地方の味方? 地方の敵?

 地方の味方と信じていた官庁が実は敵だった。
 総務省は地方自治の守護神のような顔をしながら、他の省庁以上に「上から目線」で地方を見下し、意に沿わない市町村を容赦なくバッシングする役所だった。
 ふるさと納税をめぐる大阪府泉佐野市への対応はあまりにひどい。
 ふるさと納税は寄付金と税控除をセットにした制度だ。
 どこかの自治体の収入が増えれば、どこかが減る。
 自治体が寄付金を奪い合う制度を作っておきながら、競争が過熱すると同省は「やりすぎるな」と抑えにかかった。
 その助言に従わない市町村が多かったため新たに法律を作り、同省が指定した自治体だけが対象になる制度に変えた。


 新法施行前の助言に従わなかった泉佐野市などは、新しい制度から除外した。
 「お上に逆らうと、こういうことになる」という見せしめだ。
 泉佐野市は国地方係争処理委員会に不服を申し出た。
 同委員会は国の地方への関与が違法と認められる場合に国に勧告する第三者機関だ。
 審査の結果、同省に対し、必要な措置を行うよう勧告した。
 同省はそれに従わず、泉佐野市を除外し続けることにした。
 「法律の範囲内で工夫して寄付金を増大させる努力をするのは当然ではないか」と主張する泉佐野市に対し、同省は「違法でなくてもやってはいけないことはおのずとある。泉佐野市はその一線を超えた」という。
 どこに線を引くのかを決めるのは法律ではなく、俺たちだと言わんばかりの態度だ。


 同省の事務次官から日本郵政に天下った鈴木康雄副社長の態度もひどい。
 かんぽ生命保険の不正販売を報じたNHKを「まるで暴力団と一緒。殴っておいて、これ以上殴ってほしくないならやめたるわ、俺の言うことをきけって。バカじゃねえの」と批判した。
 NHKを批判するのは自由だが、この人は一般視聴者とは違う。
 旧郵政省時代からNHKの予算や関係法令に絶大な影響力を発揮し続けてきた人だ。
 自分自身も現住所は日本郵政、本籍地は総務省(旧郵政省)という感覚を持ち続けているのだろう。
 「バカじゃねえの」という発言からは、不正販売の被害者たちに対して申し訳なかったという気持ちは感じられない。
 元総務事務次官として表現の自由を尊重しなければならないといった自制心もない。
 あるのは「総務省はお前たちを指導する側、地方自治体やNHKは指導される側。その関係を忘れるな」という尊大な姿勢だけだ。

 地方分権の所管官庁が地方分権を軽視しているのだから、分権など進むわけがない。

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