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ふるさとNO税

 久しぶりにスカッとする判断を国の第三者機関が示してくれた。
 ふるさと納税制度をめぐり、総務省の言いなりにならない市町村に対する同省の傲慢な態度を、国の第三者機関「国地方係争処理委員会」が不当と認めたのだ。
 ふるさと納税は、自分が住んでいる地域以外の都道府県や市町村に寄付をすると、それに見合った金額が住民税や所得税から控除される制度。納税先を自分で選ぶことができる仕組みということもできる。
 生まれ故郷や被災地などを応援するための制度だが、民間企業のように競争によって市場が拡大するわけではない。
 住民税や所得税の奪い合いは、どこかが増えればどこかが減るゼロサムゲーム。
 分捕り合戦は過熱し、A市は寄付額の5割、B町は7割、C市は9割相当の返礼品を用意するようになった。


 総務省は税の受益者負担の原則を蔑ろにし、競争をあおるような制度を作っておきながら、自治体に「返礼品は寄付額の3割以下の地場産品」とするよう求めた。
 この通知は法的な強制力のない「助言」で、自治体には従う義務がない。
 無視した自治体も多かったため、国は地方税法を改正。ことし6月から総務省が対象自治体を指定する新制度に改めた。
 その際、法施行前の昨年11月時点で通知に従っていなかった大阪府泉佐野市など4市町を新制度の対象から除外、三条市など43市町村は指定期間を4か月に限り、その後は状況を見て判断することにした。


 「国の言うことを聞かないと痛い目に遭うぞ」という、いわゆる見せしめだ。
 これに反発した泉佐野市が国地方係争処理委員会に審査を求めた。
 同委員会は泉佐野市の主張を認め、総務省の決定を「不当」と認定、総務相に再検討するよう勧告した。


 平成12年の地方分権一括法施行で国と地方はそれまでの上下、主従から対等、協力関係に変わった。
 総務省は地方分権の推進役であるはずなのに、ふるさと納税をめぐって市町村に示した高圧的態度は、まるで分権から中央集権に時代が逆戻りしたかのようだった。

 総務省は「地域エゴだ」などと市町村に責任転嫁するのをやめ、自らの制度設計が甘かったことを素直に認め、制度を見直すべきではないだろうか。

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