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田中角栄元首相とIT化

 「大都市と地方との格差をなくすためには、全国各地域を結ぶ情報ネットワークを先行的に整備しなければならない」と真っ先に説いたのは田中角栄元首相だ。

 自ら著した『日本列島改造論』(日刊工業新聞社)で
 「情報ネットワークの整備、利用技術や情報システムの積極的な開発、通信コストの合理化を三本柱にして日本全国を一つの〝情報列島〟に再編成すれば、わざわざ情報を求めて上京する必要はなくなり、地方にいながらにして商売も勉強もできるようになる。情報化時代の主役はコンピューターによる情報処理である。このコンピューターと職場や家庭を結ぶのが通信回線だ。新幹線鉄道の列車がレールの上を走って私たちを運ぶように、私たちが通信回線をつうじてコンピューターを呼びだし、コンピューターのはじきだす情報が通信回線を通じて私たちにとどく。それがデータ通信である」と説いた。


 『日本列島改造論』の発刊はいまから47年も前の昭和47年。
まだ「インターネット」という概念は生まれておらず、その前身であるARPAネットがようやく米国内29台のコンピューターを通信網で結ぶことに成功したころだ。
 日本で初めてこのネットに東北大学のコンピューターが接続できたのは発刊から9年後。
 元首相は「IT化」などという言葉が生まれるはるか以前から、日本を情報列島化しなければならない時代が来ると予見していた。


 天才政治家はこの本のむすびで
 「人口と産業の大都市集中は、繁栄する今日の日本をつくりあげる原動力であった。しかし、この巨大な流れは、同時に、大都会の二間のアパートだけを故郷とする人々を輩出させ、地方から若者の姿を消し、いなかに年寄りと重労働に苦しむ主婦を取り残す結果となった」と指摘。工業再配置と交通・情報通信の全国ネットワーク整備によって人とカネとものの流れを巨大都市から地方に逆流させる〝地方分散〟」が必要と説いた。
 「東京一極集中の是正」をいまだに実現できずにいる日本。元首相引退後、政治は何をやってきたのだろう。

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