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感動のスピーチ

 県央ことしの最優秀スピーチという賞があるとしたら、ぜひ候補にしてほしいスピーチがある。首長や議員の演説でも、社長の訓示でもない。県内初の義務教育学校としてことし4月に開校した三条市立大崎学園(渋谷徹也校長)が、今月1日に行った体育祭でのことだ。
 1年生から9年生まで814人が赤、青、黄の3軍に分かれ、応援合戦を含めて16種目を行った。
 児童生徒が一堂に会すると、7歳の1年生の小ささや可愛らしさ、15歳の9年生のりりしさ、たくましさが際立つ。
 前期児童は玉入れや綱引き、後期生徒は騎馬戦やタイヤ取りなどで力を競い、全校による大玉送りで結束力を示した。

 競技の部は青軍、パネルの部と応援の部は赤軍が優勝。初代の総合優勝は赤軍が勝ち取った。
 午後3時過ぎからの閉会式では表彰のあと、各軍団長があいさつした。
 黄軍の団長はマイクの前に立ったものの無言。涙をぬぐうようなしぐさも見せた。その状態が30秒ほど続くと保護者席などから「頑張れ!」の声援が次々と飛び、拍手も起きた。
 それでも団長は無言。
 1分が過ぎ、2分が過ぎた。
 全校の児童生徒、教職員、応援の保護者はじっと待っている。
 2分半が経ってようやく
 「何も賞を取ることができなくて、本当に申し訳ないけれど…。最初で最後の体育祭を、最高のメンバーとともにできたことが本当に良かったです。ありがとうございました」。
 7、8、9年生は共感の拍手、5、6年生は感動の、3、4年生は尊敬の拍手を送り、1、2年生もそれにならった。

 無言のまま待つ2分はかなり長い。それでも後期の教師たちは余計な助け舟を出したりせず、じっと見守っていてくれることを前期の児童や保護者、また小学校の指導方法に慣れた前期の教師たちにも教えてくれたスピーチだった。
 みんなに賞を与えればだれも傷付かないという間違った平等意識が教育なのではなく、負けた悔しさをかみしめ、それを乗り越えていく力を育てることこそが本当の教育であることも示したスピーチだった。

 大崎学園の体育祭は黄軍団長の名スピーチもあって、思い出深い初の全校規模イベントとなった。

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