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心の「強靭化」

 全国各地で記録的な大雨が続き、甚大な被害が出ている。ニュースで決壊した河川や自宅の2階や屋根の上で救助を待つ人々のニュース映像を見ると、嫌でも五十嵐川の堤防が決壊した平成16年の7・13水害や23年の7・29水害を思い出す。
 災害は忘れないうちにやってくる。
 水害だけではない。先月は最大震度6弱を観測した大阪府北部地震が発生した。2年前は熊本地震が起き、4年前は御嶽山が噴火、7年前には東日本大震災が発生した。
 忘れる間もない。
 世界で発生した大地震の約1割は太平洋、ユーラシア、北米、フィリピン海という4つの巨大プレートの合流地点にある日本列島で起きているという。世界の活火山の約1割も日本にある。

 日本は自然災害も多いが、自然の恵みも多い。何年か前に放送されたNHK『日本列島~奇跡の大自然』によると、ヒマラヤ山脈やチベット高原によって起きる大気の大循環や、日本列島を囲む暖流と寒流などさまざまな条件が奇跡的に重なった結果、日本は世界一豊かで美しい森林、多様な動植物、世界一多い固有種が育まれたのだという。
 「ハイリスク、ハイリターン」は損失の危険が大きいほど、得られる収益も高いといった投資用語だが、日本列島も危険ではあるが恩恵も多いハイリスク、ハイリターンな自然環境となる。

 自然の猛威に対して、被害を最小限に抑えようと努力することは必要だが、科学技術によって災害をなくす、あるいは防ぐこともできるといった考え方は人間の幻想であり、思い上がりなのだろう。
 海や山、川は人間に大きな恵みを与えてくれるが、時に荒ぶる。防波堤や堤防で抑えられる程度の暴れ方のときもあれば、それでは収まらないときもある。
 最新技術と莫大な予算で国土の「強靭化」を進めても、東日本大震災のときのような暴れ方をされたら、人間は逃げるしかない。

 いざというときは何もかも捨てて逃げる、そのための覚悟と準備をしておく。
 災害が落ち着いたら、失った財産を少しでも奪い返すべく、自然の恵みを享受する。
 そういった気持ちの強靭化も必要なのではないだろうか。

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