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自己責任

 自己責任とは「自分の行動の責任は自分にある」ことだ。
 自由意思に基づいて自ら選択した結果は、本人が責任を負うという意味だ。
 先日、弥彦山を登った新潟市の女性が下山途中、雪の重みで倒れたスギや落雪に巻き込まれ、出血性ショックで死亡した。
 弥彦山を所有する弥彦神社と、登山道を管理している弥彦村は昨年12月、今回の事故とは別の場所で登山道の崩壊や倒木を確認したため、「通行禁止」の立て看板を設置した。その後も登山する人がいたため、看板に「登山は自己責任で‼」を加えて警告してきた。
 にもかかわらず犠牲者が出た。弥彦村と弥彦神社は事故の翌、登山道を全面通行禁止とし、登り口を立入禁止テープなどで封鎖した。

 全面通行禁止には賛否両論がある。弥彦山登山愛好者の間には「登山は自己責任なのだから、一律に禁ずるべきではない」といった意見もある。
 自己責任といっても、実際に事故が起きれば個人では責任の取りようがないことも起こる。消防や警察からも捜索や救助、実況見分などに多数が出動する。今回はヘリコプターまで出動した。
 自己責任と言いつつ、人の命にかかわることが起きれば
 「樹木の手入れは十分だったのか、倒木の危険を予知できなかったのか」
 「登山道の崩壊部分をなぜ放置していたのか」などと管理責任が問われることにもなる。
 登山者の「自分の命は自分で責任を取ります」だけでは済まなくなる。無人島で一人きりならともかく、社会に生きている以上、「死んだら遺体は放置しておいて」というわけにはいかないのだ。

 遊んでばかりいて勉強せずに受験に失敗したことや、運動せずに食べてばかりいて太ったこと、放漫経営のため会社が傾いたことなどは他人のせいにできない。自己責任だ。
 だからといって「自由競争に敗れた負け組が貧困にあえぎ、生活保護費を削られるのは当然」「所得や雇用の格差が拡大するのは競争の結果であって、負けた方が悪い」といった市場原理最優先の自己責任論がまかり通ったら強者はより強大に、弱者はますます弱くなる。治安は悪化し、社会は混乱する。
 なんでもかんでも「自己責任」という世の中は危ないのではないだろうか。

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