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米の米による米のためのコメのタネの話

 主要農作物種子法という法律がある。
 戦後間もない昭和27年にコメや麦、大豆の増産や安定供給のために制定された。
 都道府県はこの法律に基づいて地域に適した優良なコメや麦、大豆の品種を開発し、その種子を安く安定的に農家に供給してきた。国もそれを予算面で支援してきた。国民に安全な主食を安定的に提供し、安心して食べてもらうためだ。コシヒカリや新之助も、この法律によって生まれた品種だ。
 政府はことし2月にこの種子法の廃止を閣議決定し、4月には与党の賛成多数で廃止法を可決。来年4月に廃止と決まった。

 廃止理由を政府は「技術水準の向上によって種子の品質は安定している。民間企業の参入を促進し、開発を促進する」と説明している。
 そのために都道府県には「官民の総力を挙げた種子の供給体制の構築のため、民間事業者による稲、麦類及び大豆の趣旨生産への参入が進むまでの間、種子の増殖に必要な栽培技術等の趣旨の生産に係る知見を維持し、それを民間事業者に対して提供する役割を担う」ことを求めている。
 都道府県が長年、積み上げてきた研究成果を民間に提供しろというのだ。

 民間企業のなかには除草剤「ラウンドアップ」を開発し、この除草剤に耐性を持つ遺伝子組み換え作物とセットで販売している米国のモンサントなどもある。
 モンサントはアスピリンを開発したドイツのバイエルに近く買収される予定で、バイオ化学メーカーは今後ますます巨大化、多国籍化する。こうした巨大企業が日本の種子市場に参入すると何が起きるだろう。
 「将来的に市場原理によって都道府県が開発した品種が淘汰され、外国の巨大企業が種子の市場を独占することもあり得る。そうなった後に種子が高騰しても、農家はどうすることもできない」
 「都道府県が管理しているうちはいいが、民間企業の種子となると、どこにどんな遺伝子組み換え作物が紛れ込んでくるか分からなくなる」
 と心配する声もある。
 政府が唐突に種子法廃止を閣議決定したのは安倍首相とトランプ大統領による日米首脳会談から3か月後のことだった。
 種子法廃止は米国の要求だったということはないだろうか。

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