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新潟空港と上越新幹線

 新潟空港への上越新幹線乗り入れは金子清知事時代に浮上した構想だ。
 新潟空港は市街地に近い好立地にありながら公共交通の便が悪く、バスかタクシーを利用しなければ鉄道に乗り継ぐことができない。バスだと新潟駅まで通常なら直行便で30分、路線バスで40分前後だが、新潟市内ではたびたび渋滞が発生する。新潟空港に降りた乗客が新幹線に乗ろうとしても、新潟駅までの所要時間が読めない。
 新幹線を新潟空港まで延ばせば、こうした不便さを解消できる。県内だけでなく、群馬、埼玉など新幹線沿線地域からの空港利用も増える。新潟空港を成田、羽田に次ぐ首都圏第三の空港とすることによって、新潟を日本海側最大の交通拠点として発展させようといった発想だった。

 自治省出身で関係省庁とのパイプも太かった金子知事だが、この構想を具現化する前に東京佐川急便事件によって、在職わずか3年で辞職した。平山征夫、泉田裕彦両知事時代も構想の検討だけは続けたが、実際に変わったのは空港と新潟駅を結ぶバスの乗降場所程度。新幹線は1㍉も延びないまま、25年が過ぎた。
 この間に新潟空港の国際線はソウル、ハルビン、上海、台北合わせて週10便だけなのに、富山空港はソウル、上海、大連、台北の週11便、小松空港はソウル、上海、台北の週12便に増加。利用者数も新潟の99万人に対し、小松は170万人と大きく水を開けられた。

 県内の行政、経済界、交通事業者などによる新潟空港アクセス改善協議会(会長・米山隆一知事)は、空港への新幹線乗り入れについて「不確実な要素や採算性の課題も多く、現時点で整備着手を判断できる状況にない」とし、検討を中断することにした。
 当面は空港駐車場の割引やタクシーの定額運行、バス専用レーンの整備などによって空港利用者を増やす努力を続け、9年後、もしくは空港利用者が現在の1・13倍の135万人に達したら、検討を再開する。
 空港まで新幹線を延ばすには422億円必要で、現状の利用状況ではそれだけの投資をしても採算が合わないという。
 利用が少ないから投資できないというが、投資をしなければ利用が増えないのが公共交通ではないのだろうか。鶏が先か、卵が先かと悩んでいるうちに日本海側の交通拠点の地位を石川県に奪われてしまうのではないだろうか。

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