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どんどん減っていく宝物

 「宝物」とは宝石や貴金属など金銭的価値の高いもの、その人にとって大切なもののことだ。
 河原の石ころよりダイヤモンドやルビーが高価なのは希少価値が高いからだ。
 「子宝」という言葉もある。宝の価値が数の多少で決まるのであれば、子宝の値打ちはどんどん上がっているはずだ。
 厚労省の推計によると昨年1年間に日本で生まれた子は98万1千人だった。統計を取り始めた明治32年以降でもっとも少なく、初めて100万人を割った。ベビーブームの昭和24年、出生数は269万6千人だった。それと比べて昨年は3分の1近くに減った。
 一方で死亡は前年より6千人多い129万6千人となった。人口の自然動態は差し引き31万5千人の減。県央5市町村の全人口がすっぽりいなくなるほどの減り方だ。

 数が減って価値が上がっているはずの「子宝」だが、実際はそれほど大切にされていない。
 首都圏などでは保育所が迷惑施設扱いされ、設置断念に追い込まれている。
 「送迎の車や自転車が増えて危険になる」ことを懸念する人がいるという。朝夕の限られた時間帯の交通安全に注意すればいいだけのことだ。
 「子どもの声がうるさい」という意見もある。哲学的思索に耽っているのか、数学の難問を解いているのか知らないが、子どもの声を「うるさい」と受け止める感覚が分からない。
 電車内やスーパーでのベビーカー使用を「邪魔」「マナー違反」と批判する人もいる。微笑ましいと感じる余裕のない人たちなのだろう。

 出生数は今後も減り続け、40年後には50万人を割ると国立社会保障・人口問題研究所が推計している。
 すでに適齢期の女性が少なくなっているのだから、子どもが増える要素はない。保育所を迷惑施設、ベビーカーを邪魔者扱いするような社会で合計特殊出生率が高くなるはずもない。
 三条市の昨年の出生数も合併後最少の663人だった。彼らが小学校に入学するとき、35人以下学級でも19クラス、40人以下なら17クラスあれば間に合うことになってしまう。これで社会を維持していけるのだろうか。

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