運だめし
節分会でにぎわう三条市の法華宗総本山本成寺で、豆のついでに「運だめしせんべい」も買った。
なにが「運だめし」かというと、4つ折りにしてねじったような形のせんべいの内部に、小さく折りたたんだおみくじが入っているのだ。
原材料は「小麦粉、砂糖、玉子、植物油脂、味噌」。香ばしくてほんのり甘い、素朴で飽きない味だ。せんべい13枚、120㌘入りで5百円。
知人たちと一緒に袋を開けた。おみくじまで食べてしまわないようにせんべいを少しずつかじる。
すき間からおみくじを引っ張り出すと「小吉」だった。財運は「好調が続きます。自分勝手にならないように」、健康は「ことしは激しく動いても来年は注意」、愛情は「夢続く幸せ者。老いも若きも青春しよう」とある。
運が良いらしいと喜んでいたら、知人は「大吉」だった。「くすぶっているトラブル恐れるな。くそ度胸が金星射止める」という。別の人は「中吉」で「棚ぼた的幸運入りそう。午前中に期待」だった。
もしかして「大吉」「中吉」「小吉」だけで、「凶」などは入っていないのだろうか。ふたつ目のせんべいも「小吉」だった。財運は「うますぎる話にのせられるな。大けがのもとだ」、健康は「顔色が良いです。心配無用」、愛情は「ことしから楽しく団らんの日が続く」という。
知人たちは2個目も「中吉」や「大吉」だった。3種類しかないのだとすれば「小吉」は一番下だ。せんべいの名前の「運だめし」という点ではさほど幸運ではないらしいが、悪いことが書いてあったわけでもないので気にならない。
面白いし、美味しいので次々と食べてしまう。「迷っているなら勇気とやる気です」「有力者と知り合う。弱輩の人でも尊敬を」「3日に1度は梅ぼし食べよ」「外出しても金は極力使うな。無駄が目立つ」などという注意もあった。
これで5百円は安い。スーパーなどには卸しておらず、本成寺の社務所でしか売っていないという。
「法華宗総本山本成寺」の朱印も押してあるので、土産にもなる。
自分だったらおみくじに「節分会以外にも参拝すべし」「さい銭多ければご利益も多し」などと書くだろうが、本成寺のお坊様たちはそういう下品なことはしない。