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2017年01月25日

いじめ

 首都圏出身の学生たちに新潟県民の印象を聞いたことがある。まとめると「口下手だが親切、真面目で忍耐強い」といったところだった。ちゃんとした調査を行っても似たような結果になるのではないだろうか。
  ドラマ『水戸黄門』で黄門様が「江戸の材木問屋」でも「浪花の油問屋」や「加賀の廻船問屋」でもなく、「越後のちりめん問屋の隠居」を名乗ったのは、その方が警戒されることなく、だれもが安心して相談できる人物と思われるからだろう。江戸の銭湯の多くが越後出身者の経営だったのも、地道にこつこつと稼ぐ商売が新潟の気質に合っていたからかもしれない。
 都内にある警察庁の警察大学校には、全国の幹部候補が集まる。研修に参加した新潟の警察官が「他地域からは違う国の人なのではと思うほど派手好きでにぎやかな人たちが集まる。彼らと比べたら新潟はものすごく真面目だ」と話しているのを聞いたことがある。

 東日本大震災発生時、新潟県民は救援物資や義援金を出し合い、被災地に出向いて復旧復興を手伝い、避難者を受け入れた。
 三条市でも地震発生五日後には総合福祉センターなど4か所に避難所を開設し、700人以上を受け入れ、生活支援に努めた。
 「口下手だが親切」な新潟県民らしさが発揮された、はずだった。
 最近、「新潟県民は実は結構、意地が悪い」と思わせる出来事が続いている。昨年11月には福島県から新潟市内に避難している小学4年の男子児童が同級生からいじめられ、担任教師にまで名前に「菌」をつけて呼ばれたことで不登校となっていることが分かった。
 今月には同じく福島県から下越地方に避難している中学1年の女子生徒が同級生たちからいじめられ、学校に行けなくなっていることも分かった。女子生徒は作文に「まだいじめはつづいています」と書いて提出したのに、担任は何も対応しなかったという。

 担任も悪いが、故郷の友だちと離れ離れになり、知らない町で不安な日々を送っている子に優しくしてやるどころか、いじめて喜んでいるような同級生はもっと悪い。それを防げなかった保護者も悪い。現在も県央で避難生活を送っている子どもたちがいる。「いじめは絶対にダメ」ということを改めて家庭でも学校でも話し合うべきだ。