県央がひとつだったら・・・
中学生の剣道で燕勢は圧倒的な強さを誇っている。
全国大会の女子では燕中が昨年、3年連続5回目の優勝を成し遂げ、ことしも敢闘賞を受賞した。
男子も燕・小池中が敢闘賞を勝ち取った。男女ともに全国ベスト8とあって、県内での強さは群を抜いている。
先月の新潟県中学校選抜剣道大会では燕中女子が12連覇、燕・小池中男子が3連覇を達成した。
中学生たちに続けと、おとなも県立武道場誘致合戦に参戦したが、あと一歩及ばずに敗退、県は上越市に軍配を上げた。
社会性(利活用)、機能性(利便性)、経済性(コスト)を数値化し、総合的な評価を加えた結果という。
50点満点で上越市は46・5点、燕市は僅差の42・2点で、新潟市と南魚沼市は20点台、加茂市は10点台だった。
県央が分裂せず、加茂市も三条市などと一緒に燕市の支援に回っていたらどうなっていたのだろう。
県立施設は新潟市に集中している。スポーツ施設ではビッグスワン、エコスタジアム、ホールでは朱鷺メッセ、県民会館、ユニゾンプラザ、文化・美術関係では図書館、文書館、生涯学習推進センター、青少年研修センター、埋蔵文化財センター、万代島美術館、自然科学館、植物園など。合わせて16もの県立公共施設が新潟市にある。
長岡市には県立の近代美術館や歴史博物館、屋内総合プール、柏崎市にはアクアパークやこども自然王国、胎内市には少年自然の家と胎内ライフル射撃場がある。
武道場を建設する上越市には県立看護大学があり、救命救急センター機能を持つ524床の県立中央病院もある。
県央にあるのは救命救急センター機能のない県立病院や高校、特別支援学校など。いずれも県内各地にある施設で、県央にしかないという県立施設はない。
理由は簡単。県央には小さな市町村しかないうえに、要望もバラバラでまとまっていないからだ。
県には人口81万人の新潟市や、28万人の長岡市、20万人の上越市の声の方がはるかに強くて大きく聞こえている。
県央も合併すれば上越市を上回る25万人の大きな声となるのだが、小さな地域エゴと一部の人の自己保身がそれを拒んでいる。