« 2013年11月 | メイン | 2014年01月 »

2013年12月18日

県央がひとつだったら・・・

 中学生の剣道で燕勢は圧倒的な強さを誇っている。
 全国大会の女子では燕中が昨年、3年連続5回目の優勝を成し遂げ、ことしも敢闘賞を受賞した。
 男子も燕・小池中が敢闘賞を勝ち取った。男女ともに全国ベスト8とあって、県内での強さは群を抜いている。
 先月の新潟県中学校選抜剣道大会では燕中女子が12連覇、燕・小池中男子が3連覇を達成した。

 中学生たちに続けと、おとなも県立武道場誘致合戦に参戦したが、あと一歩及ばずに敗退、県は上越市に軍配を上げた。
 社会性(利活用)、機能性(利便性)、経済性(コスト)を数値化し、総合的な評価を加えた結果という。
 50点満点で上越市は46・5点、燕市は僅差の42・2点で、新潟市と南魚沼市は20点台、加茂市は10点台だった。
 県央が分裂せず、加茂市も三条市などと一緒に燕市の支援に回っていたらどうなっていたのだろう。


 県立施設は新潟市に集中している。スポーツ施設ではビッグスワン、エコスタジアム、ホールでは朱鷺メッセ、県民会館、ユニゾンプラザ、文化・美術関係では図書館、文書館、生涯学習推進センター、青少年研修センター、埋蔵文化財センター、万代島美術館、自然科学館、植物園など。合わせて16もの県立公共施設が新潟市にある。
 長岡市には県立の近代美術館や歴史博物館、屋内総合プール、柏崎市にはアクアパークやこども自然王国、胎内市には少年自然の家と胎内ライフル射撃場がある。
 武道場を建設する上越市には県立看護大学があり、救命救急センター機能を持つ524床の県立中央病院もある。

 県央にあるのは救命救急センター機能のない県立病院や高校、特別支援学校など。いずれも県内各地にある施設で、県央にしかないという県立施設はない。
 理由は簡単。県央には小さな市町村しかないうえに、要望もバラバラでまとまっていないからだ。
 県には人口81万人の新潟市や、28万人の長岡市、20万人の上越市の声の方がはるかに強くて大きく聞こえている。
 県央も合併すれば上越市を上回る25万人の大きな声となるのだが、小さな地域エゴと一部の人の自己保身がそれを拒んでいる。

2013年12月07日

予算編成、例年よりは余裕あり

 県央各市町村は来年度の予算編成を始めている。
 来年4月から1年間にわたる行政の基本方針を定め、税収など歳入を見込み、どの事務事業にいくら投じるのかを決める作業だ。
 この作業を通して来年度の主要施策や執行体制などが固まっていくことになる。
 三条市の場合、現段階では一般財源ベースで最低でも3億円は不足しており、厳しいやり繰りとなっている。

 三条市は各部予算要求を締め切り、財務課が査定を始めている。
 財務課が要求を受けるに際しては経常的経費を一律3%、政策的経費は一律5%削減するマイナスシーリングを行った。
 その結果、これらの経費は今年度より4億4000万円減る。
 職員人件費も定員削減などで2億3000万円減るが、一方で合併特例債の償還などで公債費、つまり借金の返済は6億1000万円増える。
 高齢化で扶助費や特別会計繰出金なども増えるため、歳出合計は今年度より4億9000万円増の263億1000万円となっている。

 歳入見込みは歳出よりも2億9000万円少ない260億2000万円にとどまっている。
 歳出見込みは義務的経費や継続事業などを積み上げただけで、まだ新規事業など各部の重点施策は含まれていない。
 重点施策を加えれば収支の不足額は3億円ではおさまらない。
 今後は歳入を確保しつつ、重点施策を精査し、財源の効率的配分に知恵を絞ることになる。
 具体的事業では、継続には平成二十七年度供用開始予定の新保裏館線、入札不調で着工が遅れている第二中学校体育館、耐震化に伴う本成寺中学校特別教室棟改築などがある。
 新規では大崎中学校の移転改築や保内地域交流拠点施設整備、南小学校跡地を活用したものづくり拠点施設整備、三条学校給食共同調理場廃止後の跡地活用などが考えられる。

 三条市の貯金にあたる財政調整基金の年末見込み残高は48億6000万円。
 市の行革計画である新経営戦略プログラムでは、今年度末の残高目標を35億円としている。
 まだ13億円取り崩しても目標は達成できるが、将来の財政難に備えて取り崩しを我慢するか、市民要望に応えて積極予算を組むかは国定勇人市長の決断次第となる。