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2013年01月24日

県のリーダーシップを期待しています!

 県央の救命救急センター併設基幹病院の整備は、またしても遅れてしまうのだろうか。

 三条、燕、田上、弥彦の4市町村長が県に設置要望を提出して間もなく5年。ようやく昨年、県が重い腰を上げた。
 いまは県が燕労災病院と厚生連三条総合病院を再編の核とする案で関係者の調整を進めている。ことし3月までには具体案を示すとしているが、小池清彦加茂市長がまた待ったをかけた。
 燕労災病院の統合相手を三条病院ではなく県立加茂病院に変え、統合病院を加茂市下条に移転改築すべきと知事と県議会議長に提案したのだ。

 小池市長の理屈は珍妙だ。民主党政権の事業仕分けには「労災病院は他の公的病院との再編等についても広く検討」とあるから統合相手は三条病院より県立の加茂病院がいいという。
 公的病院と公立病院の違いが分かっていない。
 厚労省の「公的病院」は公立だけではない。厚生連や日赤、済生会など公的機関・団体が運営する病院も含まれている。三条病院はれっきとした公的病院だ。

 小池市長は同じ県立でも吉田病院は「地理的に県央の中心から離れているため適当ではない」というが、燕市吉田大保町より加茂市下条が県央の中心に近いという感覚も理解できない。
 粟ヶ岳も含めた中心ということなのだろうか。
 仮に燕労災病院と加茂病院を統合するとしても、県央全体の利便や他の救命救急センターとの連携などを考えれば、統合後の病院立地は三条燕インター付近だろう。

 泉田裕彦知事はこれまで十分すぎるほど小池市長に気を遣ってきた。平成20年9月には小池市長のために「県として加茂病院の廃止や縮小等は考えていない」との知事コメントを出した。
 昨年2月に県が基幹病院の調整に始めるときも、この知事コメントを「尊重して対応する」ことを確認した。
 加茂病院廃止という小池市長の懸念を払拭するため、加茂病院を再編対象に含めないという意味も込められていた。

 知事は今回の小池市長の提案まで「次の合同会議で議論してもらう」「話し合って手順を踏んで前にすすめてもらいたい」と話している。
 要望から5年。議論は尽くした。だから関係市町村は昨年2月、県に具体的な調整を任せたのだ。
 ここにきてまた市町村に下駄を預けるようでは県の責任放棄と言われかねない。
 一般的な箱ものなら延々と議論してもいいが、ことは住民の命にかかわる救命救急センターの話だ。いま、この瞬間にも県央で受け入れ病院がなく、圏外に向かっている重篤患者がいるかもしれない。

 知事がリーダーシップを発揮するときだ。