ステップアップの年
三条市の来年度予算の編成作業が始まった。毎年のことだが、来年度も余裕はない。
現時点で見込まれる一般財源分の歳入は257億円。対して歳出は260億1000万円。差し引き3億1000万円足りない。不足分は何らかの方法で調整しなければならない。歳出を削るか、市の貯金である財政調整基金を取り崩すか。
歳出削減は簡単ではない。職員人件費は保育所民営化などによる職員数の減で3億5000万円ほど減るが、合併後に建設したし尿処理場やごみ焼却場などの借金返済が始まるため、公債費は5億円増える。これまで先送りしてきた小中学校や保育施設、社会教育施設などの修繕費も2億円以上増える。
財政課は各課の予算要求に対し、経常的経費は5%、政策的経費は10%減らすよう求めている。これらマイナスシーリングなどで4億5000万円を浮かせ、重点施策に4億7000万円を配分する方針だ。
こうして積み上げた歳出の260億1000万円だけに、さらに削るのは難しい。
財政調整基金も新経営戦略プログラムに掲げた今年度末の目標残高36億5000万円は達成できそうにない。予算編成の不足分を取り崩せば、30億円すら難しくなる。
来年度予定されている事業には、今年度から着手している第一中学校区小中一体校の建設がある。同校は来年度末に完成、26年4月に開校する。新保裏館線の嵐南の工区も26年度末の完成に向けて工事を急ぐ。新通川や島田川などの緊急内水対策などもある。
国定市長はこれまで地域経済の再活性化や小中一貫教育を含む子育て環境の充実、スマートウェルネス構想、中心市街地活性化などに努めてきた。来年度はこれらの施策をステップアップする年となる。