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働かないアリ 2

 働きアリの話をもう少し。
 アリの集団にも大小さまざまある。働きアリが数匹しかいない集団もあれば、グンタイアリやシロアリが何万匹もいる巨大集団もある。比べると小さな集団の働きアリは動きがゆっくりしており、1匹で行動することが多い。体のつくりは精密で、各部の狂いも少ないという。大集団のアリはこの反対。集団が大きいと、個体はコストがかからない粗雑なもの、取り替えが利くものとなっている。
 人間社会に強引に置き換えてみると、大企業は取り替えの利く人材を使っているのに対し、中小零細には精密で精巧な人材がいるということになる。
 アリはエサを見つけると、仲間をフェロモンでエサのある場所まで動員する。このフェロモンを100%間違いなく追尾する働きアリばかりの集団と、一定の確率で間違えて進んでしまう働きアリがいる集団を比較した研究がある。
 結果は、ある程度、間違える働きアリがいた方が、エサの持ち帰り効率が良かったという。完全なエリートばかりの集団よりも、落ちこぼれが混じっている集団の方が成果が上がるわけだ。理由は、間違って道に迷っているうちに偶然、近道を見つけたといったケースがあるからだ。
 落ちこぼれだってときにはヒットを飛ばすのだ。進化生物学者の長谷川英祐氏は「お利口な個体ばかりがいるより、ある程度バカな個体がいるほうが組織としてはうまくいくということ」と解説している。
 感度の鈍いアリやハチが2割いる集団のほうが、感度の鋭いアリばかりの集団よりも生き残れるという話にしろ、エリートだけの集団よりも一定の割合で落ちこぼれもいる方が組織としてうまくいくという話にしろ、なんだかアリやハチたちから励まされているような気がする。今度、アリの行列を見つけたら、列から外れて迷子になりそうな奴を探し出して砂糖をプレゼントしてやろうと思う。
 同じ気持ちのサラリーマン氏よ、「社長、これが自然界の法則なんです。落ちこぼれがいた方が会社の業績は上がるんです」と言ってみませんか?巨人の清武英利前球団代表のようになっても責任はとりませんが。

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