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働かないアリ 1

 子どもを生み続ける女王に子育て係、エサ探し係、兵隊と役割を分担した個体が集団生活を営んでいる生物を真社会性生物と呼ぶ。ハチやアリ、シロアリなどだ。アリは童話では働き者だが、実際にアリの集団を一か月観察すると、働きアリの2割はまったく働かず、自分の体を舐めたり、目的もなく歩いたり、ただボーとしていたという。
 進化生物学者の長谷川英祐氏が「働かないアリに意義がある」(メディアファクトリー新書)に書いている。
 よく働くアリだけを集めた集団と、働かないアリだけ集めた集団を人為的に作ると、どちらの集団も結局、前と同じように8割が働き、2割は働かなくなったという。人間社会には「どの組織も2割は優秀、6割は普通、2割はダメ」という2対6対2の法則がある。アリやハチの社会にも8対2の法則があるようだ。長谷川氏はこの2割の働かないアリも集団には必要としている。
 アリやハチの集団に、全体を指揮するものはいない。エサの確保から巣の掃除、子育てまでさまざまな問題を各個体が感知して対応する。個体によって感度は違う。ミツバチは巣の温度が上がりすぎると、「暑い」と感じた働きバチから順に羽ばたきを始めて巣を冷やす。ちょっと暑いときは感度の良い数匹が、とても暑いときは感度が鈍いものも含めた数百匹が羽ばたきする。感度が違うから、だれが何をしろと命令する指揮官がいなくても、集団として適切な対応ができる。
 働かないアリたちは、この感度が鈍いだけなのだ。怠け者というわけではなく、仕事が必要と感じる前に、敏感なアリが働いてくれるため、自分まで仕事が回ってこない。敏感なアリが働き疲れても問題が残っている場合、ようやく働く順番が来る。敏感なアリばかりの集団と、鈍いアリも混ざっている集団のどちらが生き残れるか。
 長谷川氏は、敏感なアリばかりの集団の方が労働効率は良いものの、死滅する危険も高く、鈍いアリがいた方が効率は悪くても集団としては生き残れると分析している。
 会社で肩身を狭くしているみなさん、一緒に「社長、これが自然界の法則なんです。仕事しない奴がいる会社の方が生き残れるんです」と直訴してみませんか?責任はとりませんが。

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