競馬場跡地整備 ようやく始動!
三条市は三条競馬場跡地を交流拠点や水防センターとして整備する「かわまちづくり計画」の作成作業を進めている。今年度は計画づくりと測量設計を行い、来年度から2か年で工事を行う予定だ。
県競馬組合の解散に伴い、三条競馬場が閉鎖されたのは平成14年3月。すでに9年が過ぎている。21年のトキめき新潟国体では馬術競技場として使われたが、現在は地元乗馬クラブが馬場として使っているだけ。約6万平方㍍の大半は未利用となっている。
市は跡地活用に向けて21年8月に国交省の「かわまちづくり支援制度」の認定を受け、整備計画づくりを進めてきた。現時点の案は堤防部分に水防センターとヘリポート、土砂備蓄スペース、堤防と低水路の間の競馬場時代は馬場だったスペースに芝生広場とドッグラン、260台収容の駐車場、乗馬クラブ用馬場などを整備することにしている。
水防センターは有事の際に災害復旧活動の拠点となる施設で、会議室や仮眠室、展望室、トイレ、倉庫などを備える。低水路には非常時に緊急物資などを水路から運搬できる水運施設も整備することにしている。
芝生広場は三条大凧合戦をはじめ、観光やスポーツなどさまざまなイベントを催せるように広場を区切る遊具などは置かず、全体を広々と使えるようにしている。
今年度は測量と設計を行い、来年度に着工。水防センターは来年度末の完成を目指す。芝生広場や駐車場など他の部分も25年度末までの整備を目指している。
三条競馬場だったころ、県は農地だった馬場内を公園化する計画を立て、耕作者から耕作権を買い上げた。当時の平山征夫知事は三条市に公園化に協力するよう要請、市は1千万円余の資金負担も含めて協力した。競馬が廃止となった際にも平山知事は「三条市との約束は守る」と明言したが、その後は梨のつぶて。泉田知事も知ってか知らずか、音沙汰がない。
市はかわまちづくり計画事業費の4割を国からのまちづくり交付金で賄うことにしているが、県が約束を守らずに負担に応じようとしない場合は、やむを得ず残り6割を市費で整備することにしている。知事の賢明な判断に期待したい。