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2010年11月28日

これっくらいの お弁当箱に!

 「カイベン」という言葉がある。中高校生やその親が使っている。「快食、快眠、快便」の「カイベン」ではなく「買い弁」。買う弁当のことだ。
 中学生は部活動のために毎週末、高校生は学校給食がないため平日も「カイベン」をする。祖父母の世代から「親は何をしているのか」と叱られそうだが、中学生くらいになると親が弁当を持たせようとしても「それよりカイベンするからお金ちょうだい」。母親から毎日、手作り弁当を作ってもらっていることを恥ずかしがる年頃ということもある。弁当代の釣り銭を貯めれば小遣いになるという計算もある。
 コンビニの弁当も安くておいしくなった。セブンイレブンの日替わり弁当は管理栄養士が監修した和、洋、中華の3種類がそれぞれ500円。チキンカツやポテトのチーズ焼き、海鮮パスタなどが入ったワンピース海賊弁当は550円。ローソンはねぎ塩豚カルビ弁当が398円、ロースカツ丼が498円、有名焼肉店「叙々苑」の総料理長が監修した焼肉重が690円。サークルKは新潟県産コシヒカリの新米を使った鶏そぼろ味噌手巻きおにぎりが128円、宮城県産ひとめぼれ環境保全米を使った牛めし本むすびが158円だ。
 個人的好みで言えば味と量、値段で三条市横町1、アメヤ精肉店の幕の内弁当にかなう弁当はなかなかない。脂身までうまいチャーシュー、やや甘口の肉団子、さっぱりしたポテトサラダに薄味の卵焼き、シャケ。熱々のごはんに乗っているとんかつもいいが、そのタレがしみこんだごはんがたまらない。これで530円。どこかの名物になっている1000円前後の弁当よりはるかにうまい。
 三条市は今年度から小学5、6年生を対象に「子どもがつくる弁当の日」に取り組んでいる。親の指導を受けながら自分の弁当を自分で作ることで、親子のふれあいを含む家庭教育力を向上させ、子どもの生きる力を育てることを狙っている。市教育委員会によると、これまでのところ評判は上々という。もっとも市教委の報告は、順調に進んでいるはずが、突然「そんなこと知らされていなかった」と大規模な反対運動が起きたりするので、鵜呑みにはできないが。

2010年11月24日

Gマークと県央

 今年度のグッドデザイン大賞にダイソンの羽根のない扇風機、エアマルチプライアーが選ばれた。幼児が指を入れてもけがをする心配がまったくない、世界一安全な扇風機を開発した点が評価された。金賞にはヤマハの電子ドラム、ホンダのハイブリッド車「CR‐Z」、ソニーのハイビジョン液晶テレビ「ブラビア」、日比谷公園入り口付近の花屋の店舗「ヒビヤカダン日比谷公園店」、宇宙航空研究開発機構の「きぼう」日本実験棟などが選ばれた。
 異色だったのはAKB48の受賞。作詞家秋元康さんが総合プロデュースしたアイドルグループで、メンバーはオーディションで選ばれた10代、20代の女性48人。情報のデジタル化が進んでいる時代に「会いにいけるアイドル」というコンセプトを打ち出し、秋葉原の専用劇場でほぼ毎日公演していること、人気投票の結果でメンバーの役割などを決める「選抜総選挙」といった事業を次々と展開していること、秋葉原に続いて名古屋ではSKE48、大阪ではNMB48など姉妹ユニットを立ち上げたことなどが評価された。
 審査委員はAKB48について「近年のエンターテイメントプロジェクトデザインとしては群を抜いた先見性と完成度で、社会に大きなインパクトを与えた。ジャパニーズポップカルチャーをグローバルなエンターテイメントビジネスとして成立させる可能性を感じさせるプロジェクトデザインだ」と説明している。
 片仮名が多すぎてよく分からないが、要するに外国にも売れそうだということらしい。
 グッドデザイン賞、いわゆるGマークは昭和32年に通産省が創設した総合的なデザイン評価・推奨制度。現在は財団法人日本産業デザイン振興会が主催しており、毎年、1000を超える企業やデザイナーから約3000点もの応募がある。県央のようにGマークを身近に感じている地域は他にあるだろうか。トヨタや日産、ソニーといった日本を代表する大企業と張り合って県央の企業が洗練されたデザインの商品を出品、毎年必ずGマークを受賞している。
 今年度も三条市からスノーピークのアウトドアバーナーとバーベキューボックス、魔法びん、折りたたみ式チェアの計4点、マルト長谷川工作所のニッパー型爪切り、足用ニッパー型爪切り、ラジオペンチの3点、兼古製作所のドライバー、坂源の園芸用ハサミ、コロナのエアコン、燕市からはツインバード工業のホームベーカリー、藤寅工業のキッチンナイフ、旭金属工業の六角棒レンチの合計13点がGマークを受賞した。こんな地域、ほかにはない。

2010年11月19日

お父さんだって・・・

 小学6年生のころ、地球環境や発展途上国の子どもたちのことを考えたことはあっただろうか。そんなことには何の関心もなく、仮面ライダーV3とウルトラマンタロウのどちらが強いかで友だちとけんかし、あのねのねの「赤とんぼの唄」を歌い、映画「燃えよドラゴン」を真似してカンフーごっこをし、永井豪のちょっとエッチなアニメ「キューティーハニー」をドキドキしながら観ていたように思う。いまの小学6年生はレベルが違う。
 三条市青少年育成市民会議が13日、中央公民館で第6回私のメッセージ三条市小学生大会を開いた。市内各小学校の代表だからか、24人の発表内容には平和問題もあれば地球温暖化問題もあった。仮面ライダーの話はないが、ユニバーサルデザインやカンボジアの地雷除去などの話はあった。
 「自分の名前も書けず、計算もできない子どもが世界には一億人以上います。学校に行けないのは近くに学校がない、先生がいない、親が学費を払えない、働かなくてはならないといった理由からです。学校だけでなく、病院にも行けずに死んでいく子がいます。私は将来、世界中の子どもが平等に教育を受けられる社会となるように頑張りたいです」。どうやったら、こんないい子が育つのだろう。
 成長が早いだけに、子ども社会の複雑さも垣間見えた。「クラス替えでリーダーに逆らえば恨まれるといったことはなくなったが、みんなどこかのグループに入っていないと不安になる。自分から話をせずに聴いているだけ、けんかをしたこともない私たちは、本当に友だちなのだろうか。信頼し合えるならけんかをしても仲直りできるはずです。本気で接することができてこそ友だち。私たちのクラスが本当の友だち同士になれるように努力したいと思います」。小学生のころから人間関係に気を遣わなければならないらしい。
 iPS細胞を研究している山中伸弥京大教授や、マジックしゃもじを開発した大山治郎元燕市議会議長を尊敬しているという児童はいた。介護の仕事に取り組み、介護福祉士の資格取得に挑戦している母親を尊敬している女の子や、おじいちゃんのようなりっぱな大工になりたいと願う男の子もいた。
 それなのに父親を尊敬しているとか、父親のようになりたいという児童は、残念ながら一人もいなかった。小学生たちよ、君たちは気付かないかもしれないが、お父さんだって頑張っているんだぞ。ファンキーモンキーベイビーズの『ヒーロー』、聴いてごらん。

2010年11月10日

TVショッピング

 テレビショッピングを見ていると、ついつい商品を買ってしまう友人がいる。何年か前に流行った「ビリー・ザ・ブートキャンプ」のDVDセットも買った。初日、「これは効く。これを続ければ絶対にぜい肉は落ちる。一日やっただけで体中、きしんでいる感じがするんだから。俺の体が引き締まったら、あとで貸すから」と話していた。初日できしみすぎたのだろう。2日目からはDVDを見ることなく、ブートキャンプは1日で終わった。
 聞き流すだけで英語が話せるようになるという英会話教材も買った。プロゴルファーの石川遼選手のCMに誘われたらしい。「飲み屋で英語を話していると絶対に格好良いよな。本寺小路あたりで英語を話している客は何人もいないだろ?絶対もてるよな」。こういう動機で英会話の勉強が続くはずもなく、聞き流すどころか質屋に流すことすらできないまま教材は物置の奥に置かれることになった。
 最新の買い物は1日たった60秒であこがれの脚線美が手に入るというトレーニング機。いま買うと下半身を鍛える機器だけでなく、上半身用のトレーニングチューブも付いてくるから注文したという。友人宅に遊びに行ったら、まだ段ボール箱に入っていた。梱包すら解いていない。本人は「そのうちね」。下半身を鍛える前に、財布を鍛えている。
 日本民間放送連盟は「1週間のコマーシャルの総量は、総放送時間の18%以内とする」と放送基準で定めている。深夜、延々とテレビショッピング番組を放送しているテレビ局がある。あれはコマーシャルではないのだろうか。BSテレビなどは一時期、全放送時間の40%近くがCMとテレビショッピングだった。番組を削ってでもテレビショッピングを放送しないと採算が合わないとの話もある。
 友人はいま、ニューパワフルスチームアイロンが気になっているらしい。「すごいんだよ、ハンガーに吊るしたまま、スーツのしわまでピシッと伸びるんだから。これだとアイロン台もいらないし」。自分でアイロンをかけたこともないくせに。スーツのしわより友人の脳みそのしわが伸びてしまわないかと心配している。

2010年11月06日

領土 リョウド りょうど

 パレスチナや北アイルランドといった領土問題は、大なり小なり、どの地域にもある。何千人、何万人もの犠牲者を出した地域もある。そうした地域では歴代政権が国家の最優先課題として領土問題の解決に取り組んできた。日本の場合、国政の優先順位は経済政策や福祉政策が先。領土問題はその後という空気が強かった。北方領土返還運動などは右翼活動にように受け止められてきた。
 尖閣諸島をめぐり日本と中国の間がギクシャクしている。日本は10年にわたって慎重に現地調査を続け、尖閣諸島が無人島であることや、清国の支配が及んでいないことを確認したうえで明治28年に日本の領土に編入することを閣議決定した。第二次大戦後の一時期、尖閣諸島は米国の支配下に置かれたが、昭和46年の沖縄返還協定で米国が日本に返した地域に含まれていた。従って尖閣諸島が日本の領土であることは間違いないというのが日本の主張だ。
 中国は、尖閣諸島周辺の海底に有望な資源が眠っているとの国連の海底資源調査結果が出た後、急に領有権を主張し始めた。ことし9月に中国漁船が海上保安庁の巡視船に衝突、日本が船長を逮捕して以後は、各地で発生するデモを半ば容認、首脳会談を拒否するなど強硬姿勢を続けている。
 中国との外交関係悪化を見越したかのように、ロシアのメドベージェフ大統領が一日、ロシア首脳として初めて北方四島のひとつ、国後島を訪問した。日本の中止要請を無視しての訪問で、日本が抗議すると、ロシアのラブロフ外相は「日本の反応は受け入れがたい。ロシア大統領がロシアの領土を訪問しただけだ」と反発した。中国、ロシアに挟まれた日本。ここで韓国が竹島問題に決着を付けようと動けば、三方向から集中砲火を浴びることになる。
 日本近辺の領土問題がにわかに浮上したのはなぜなのだろう。米軍普天間基地移設問題をめぐって日米関係が悪化、日本が外交的に孤立しつつあるからなのだろうか。米国は尖閣諸島問題で日本を支持する声明を発表している。北方領土問題に関してもクローリー国務次官補が「日本を支持している」とコメントしている。国際社会における米国の力が相対的に衰えてきた結果、中国やロシアが日本の背後にいる米国を気にせず動き出したのだろうか。いずれにしろ日本の外交は、米国の傘の下でノホホンとはしていられなくなった。

2010年11月01日

三条市長選挙

 三条市長選挙の投開票が31日に行われ、国定勇人市長が37,035票を獲得、2期目のスタートを切ることができました。ご支援いただいた皆様に心から感謝致します。
 地方分権が徐々にではあっても進んできた現在、三条市は否応なく都市間競争の渦の中に巻き込まれています。油断すれば購買力も労働力も人口も、他都市に奪われてしまいます。逆に頑張れば他市町村から消費者や労働者、住民を三条市に引っ張り込むこともできます。
 そのための戦略を市民や市議会議員と議論しながら立案、決定するリーダー、戦略を推進するための戦術を構築し、関係者を指揮して実行するリーダーにはだれがふさわしいのか。市民は再び国定氏を選びました。国定氏のこれまでの4年間のリーダーシップを評価してくれたということでしょう。
 市長にアイデアも提供しながらよりよい地域戦略、戦術を構築、推進できるよう私たちも頑張りたいと思います。今後もよろしくお願いします。