これっくらいの お弁当箱に!
「カイベン」という言葉がある。中高校生やその親が使っている。「快食、快眠、快便」の「カイベン」ではなく「買い弁」。買う弁当のことだ。
中学生は部活動のために毎週末、高校生は学校給食がないため平日も「カイベン」をする。祖父母の世代から「親は何をしているのか」と叱られそうだが、中学生くらいになると親が弁当を持たせようとしても「それよりカイベンするからお金ちょうだい」。母親から毎日、手作り弁当を作ってもらっていることを恥ずかしがる年頃ということもある。弁当代の釣り銭を貯めれば小遣いになるという計算もある。
コンビニの弁当も安くておいしくなった。セブンイレブンの日替わり弁当は管理栄養士が監修した和、洋、中華の3種類がそれぞれ500円。チキンカツやポテトのチーズ焼き、海鮮パスタなどが入ったワンピース海賊弁当は550円。ローソンはねぎ塩豚カルビ弁当が398円、ロースカツ丼が498円、有名焼肉店「叙々苑」の総料理長が監修した焼肉重が690円。サークルKは新潟県産コシヒカリの新米を使った鶏そぼろ味噌手巻きおにぎりが128円、宮城県産ひとめぼれ環境保全米を使った牛めし本むすびが158円だ。
個人的好みで言えば味と量、値段で三条市横町1、アメヤ精肉店の幕の内弁当にかなう弁当はなかなかない。脂身までうまいチャーシュー、やや甘口の肉団子、さっぱりしたポテトサラダに薄味の卵焼き、シャケ。熱々のごはんに乗っているとんかつもいいが、そのタレがしみこんだごはんがたまらない。これで530円。どこかの名物になっている1000円前後の弁当よりはるかにうまい。
三条市は今年度から小学5、6年生を対象に「子どもがつくる弁当の日」に取り組んでいる。親の指導を受けながら自分の弁当を自分で作ることで、親子のふれあいを含む家庭教育力を向上させ、子どもの生きる力を育てることを狙っている。市教育委員会によると、これまでのところ評判は上々という。もっとも市教委の報告は、順調に進んでいるはずが、突然「そんなこと知らされていなかった」と大規模な反対運動が起きたりするので、鵜呑みにはできないが。