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2010年05月21日

救命救急 労災病院が鍵!

 政府が事業仕分け第二弾に取り組んでいる。4月下旬の前半戦に続き、今月20日から後半戦に入った。成果については賛否両論あるが、県央地域の救命救急センターに関しては、事業仕分けの結果が強い追い風となりつつある。
 仕分け前半戦は独立行政法人が対象だった。そのひとつが労働者健康福祉機構。全国の労災病院を運営している法人だ。全国37の労災病院を運営していた平成16年度の決算は128億円の赤字。その後、統廃合で30病院に減らしたが、20年度は依然、43億円の赤字だった。繰越欠損金は314億円に達している。
 仕分けの結果は「事業規模を縮減。病院のガバナンス(統治)は抜本的見直し。他の公的病院との再編等についても広く検討する」。事業規模縮減ということは、どこかの労災病院の廃止を検討することになる。全国30か所しかないのに、新潟県には上越と燕の2か所に労災病院がある。どちらかが廃止対象となる可能性も十分にある。
 県央は労働災害が多い地域だが、昨春、燕労災病院の常勤整形外科医は1人だけとなった。地場産業を抱える県央で発生する労災には、整形外科系のけがが多い。10月には整形外科医2人体制に戻ったとはいえ、燕の受け入れ患者は労災病院でありながら他の病院と大差なくなっている。
 県央に救命救急センターを設置するには、基幹病院(中核病院)が必要だ。医療面のみならず、医師の確保や健全経営のためだ。施設を造っても医師がいなければ開院できない。スタッフがそろっても、ベッド数がなければ赤字になってしまう。5月11日の知事・市町村長・医療関係者合同会議では、基幹病院の規模を「500床程度」と決めた。
 病院のベッド数は認可制で、医療圏ごとに定めてある。県央圏の認可数から各病院のベッド数を差し引いた残りは41床。500床の基幹病院を新設するには、既存病院の見直しが不可欠だ。県の県立病院再編方針を待っていては、いつになるか分からない。県立加茂病院の統廃合には小池清彦加茂市長が絶対反対だ。そこで浮上するのが300床の認可を得ている燕労災病院。ここをベースに認可残の41床を加えれば、あと159床で500床となる。
 県央の救命救急センター併設基幹病院の運営には厚生連が名乗りを上げている。燕労災病院が民営化されることになれば、199床の認可を得ている三条総合病院とベッド数を調整したうえで、厚生連が基幹病院と三条総合病院の両方を運営することも可能となる。
 これらを念頭に、国定三条市長が当時の小林燕市長とも協議のうえ、燕労災病院の経営形態の見直しを訴え、菊田真紀子代議士が政府の行政刷新会議に働きかけた結果、労働者健康福祉機構が事業仕分けの対象となることになった。仕分けの結果を踏まえ、同法人が燕労災病院をどうするのか注目したい。結論次第では県央の救命救急センター問題が一挙に前進することもある。