« うさぎ跳び | メイン | よってげ邸裁判 »

当たるも八卦 つまみはホッケ

 人類最古の商売は売春だと言う人がいる。人類発達の初期段階から存在したと見られているためだ。本当かどうかは怪しいが、遠い遠いご先祖様もスケベだったと思うと、なんとなくホッとする。売春婦には娼婦、遊女、女郎、白拍子、傀儡女(くぐつめ)など、多くの呼び名がある。古さという点では占いも負けていないのではないだろうか。占い師にも易者、卜(ぼく)者など様々な呼び名がある。
 占いの種類は膨大だ。手相や人相もあれば、古代バビロニア発祥の占星術、古代中国発祥の風水もある。生年月日などでその人の命運を占う四柱推命もあれば、水晶を使って幻視する水晶占い、カードを使うタロット占いもある。ユダヤ教やキリスト教、イスラム教では占いを邪悪な行為と位置付け、仏教でも多くの宗派が否定している。否定されても生き続ける。占いの生命力は強い。
 日本では毎朝、民放各局が朝の情報番組でその日の運勢占いを取り上げている。星座占いの局もあれば、血液型占いの局もある。名前の最初の文字で運勢を占う「あかさたな占い」なるものもある。同じ番組内でニュースを解説し、社会正義を熱く語っているインテリも、占いを「非科学的だ」などとなじることはしない。そんなことをしたら「大人気ない」と笑われるからだろう。
 21世紀は科学の時代どころか、占い全盛の中世以前に戻ったかのようだ。テレビでは占い師の細木数子氏がもてはやされ、霊視ができるというスピリチュアル・カウンセラー江原啓之氏のレギュラー番組もあった。ちなみに日本民間放送連盟は放送基準第8章で「占い、運勢判断およびこれに類するものは、断定したり、無理に信じさせたりするような取り扱いはしない。現代人の良識から見て非科学的な迷信や、これに類する人相、手相、骨相、印相、家相、墓相、風水、運命・運勢鑑定、霊感、霊能等を取り上げる場合は、これを肯定的に取り扱わない」と定めている。テレビ人の良識から見ると細木、江原両氏の占いや霊視は肯定的に取り上げてもかまわないらしい。
 出版界でも、血液型占いの本が爆発的に売れている。昨年はA,B,AB,O各血液型の「自分の説明書」4冊すべてがベストセラーランキングの10位以内に入った。占い本で不安を解消したり、元気を出せるならそれもいい。ただ優劣を言い始めると危ない。「A型はO型より緻密」といった科学的根拠のない分析を「○○人は○○人より優秀」に転化し、「優等人種は劣等人種を淘汰すべき」とホロコーストを行ったのがナチスだ。
 朝のテレビで占いコーナーが始まると、ついその日の自分の運勢を見てしまう。そのくせ夜にはその内容を忘れているから、当たっていたのかどうか、いまだに分からない。

トラックバック

このエントリーのトラックバックURL:
http://sugihit.com/cgi/mt/mt-tb.cgi/129

コメントを投稿

(いままで、ここでコメントしたことがないときは、コメントを表示する前にこのブログのオーナーの承認が必要になることがあります。承認されるまではコメントは表示されません。そのときはしばらく待ってください。)