21年度予算編成始まった三条市~どこを削る10億2千万円
三条市の平成21年度予算編成作業が始まった。来年度は生活関連施設整備や燕三条ブランド、新潟国体などが重点項目となりそうだ。
21年度は国定市長にとって3回目の予算編成となる。最初の19年度を「芽出しの年」、20年度を「深化の年」と位置付けてきた市長。3年目の方針は来年3月の施政方針演説で明らかにするが、歳入では不況による法人税収などの減少、歳出では扶助費のほか、団塊世代職員の定年退職による退職金の増加などが見込まれ、厳しい編成作業となる。
キーワードを「選択と集中」とすることは従来通りだが、編成方法は大幅に変えた。これまで各課は新規事業や重要施策を予算枠に関係なく要求、理事者査定の結果を待つ立場だった。経常的経費の節約は求められても、新規や重要施策は「予算をよこせ、よこせ」と求めていればよかった。
今回は新規を含めた重点事業や縮小、廃止事業を各部が自ら選定。それを市長を長とする政策評価委員会が審査し、政策的経費も含めた各部の予算枠を決定。各部は新規事業から経常的経費までを、その枠内に収めるよう部内調整することにした。
各部が主体的に事業の選択と集中に取り組むことを促し、市民ニーズに沿った効果的な施策展開を図ることが目的。各部課長の手腕がより試される編成方法でもある。
こうした手法によって市は10月末までに各部への予算配分枠を63億4千万円とすることを決めた。枠配分外の義務的経費などは187億8千万円で、一般財源ベースの予算要求額は合わせて251億2千万円となった。
これに対して歳入は241億円しか見込むことができない。不足額は差し引き10億2千万円。市長は今回も、どの事業に予算を追加配分するかではなく、どこを削って帳尻を合わせるかという判断を求められることになった。
個々の重点事業では、新しい斎場が来年度完成。し尿処理施設に続き、来年度にはごみ焼却施設の建設にも着手する。このほか箱ものでは、第二中学校区公民館や栄体育館の建設、栄庁舎一階の子育て拠点施設としての活用などが予定されている。
産業振興では「燕三条ブランド」の推進、医療関係では県央医師会応急診療所の運営支援と県央中核病院設置推進などがある。
スポーツ関係ではトキめき新潟国体の軟式野球、カヌー、ウエイトリフティング、馬術の4競技を市内で開催。防災関係では7・13水害から5年、五十嵐川改修事業の完了を記念したイベントを計画している。
各部の予算要求提出日は11月21日。12月から理事者査定を始め、来年2月に予算概要を発表する。
(スキップビート87 11月19日付け三条新聞)