« 三条市勤労者福祉共済~不況のときこそのはずが | メイン | 小中一貫教育導入検討しても~教職員の人事権なくては »

族議員排除しなければ 『官治』を『自治』には不可能

 政府の地方分権改革推進委員会の第一次勧告が小気味好い。国民の信頼を失った官僚による統治の限界を指摘し、「生活者の視点に立つ地方政府の確立」を訴えている。
 同委員会は5月30日、福田首相に第一次勧告を提出した。大規模農地の転用許可や直轄国道、一級河川などに関する権限を国から都道府県に移譲するほか、小中学校教職員の人事権など359項目の事務権限を都道府県から市町村に移すことを明記している。
 まず同委員会の現状認識が痛快だ。勧告は、財政難によって「政府は各種の社会問題に政策的に対応する能力を厳しく制約されている」ことに加え、「社会保険庁の年金記録漏れ問題に始まり、新しくは道路特定財源の不明朗な使途や後期高齢者医療制度をめぐる混乱に対する憤まんと不満の噴出など、従来、国の官僚の能力や資質に寄せられてきた国民の信頼は急速に低下している」「これまでの行政、特に国の行政では、生活者の視点がおろそかにされていた」と分析している。
 政府はもはや政策遂行能力も、その基盤となる国民の信頼も失っているという意味だ。法に基いて設置された政府の機関が、ここまで明確に政府批判、官僚批判をするのも珍しい。
 さらに「地方自治体は、住民に対して幅広い行政サービスを提供している。しかし、こうした行政サービスの多くは、実質的な決定権が国に留保されていたり、財源を国に依存せざるを得ないのが実態である。地域ごとの実情や個性の違いを考慮せず、国が全国画一的に定める基準を一律にあてはめることは、地域活性化の障害となる危険性がある。『自治』に対する『他治』、官主導による統治を意味する『官治』ではなく、地域のあり方は地方独自の個性を優先し自ら決定する自治の確立が住民にとって望ましい」と説いている。
 暗にこれまでの日本は官僚が統治する「官治」だったが、それではもう対応しきれなくなっている。だから地方が主役の分権国家に、「国と地方自治体」から「中央政府と地方政府」に国の形を変えなければならないと説いている。
 分権の具体案では、農地転用に関する国の権限を県に移譲し、現在、県が持っている2ヘクタール以下の転用権限を市に移譲することとしている。
 教職員の人事権は市に移譲する方向で検討すべきとし、商工関係では商工会議所と商工会の一元化を含めた新たな商工団体制度を設けるといった検討を行って今年度中に結論を得るとしている。
 勧告に対し、農水省は農地転用の権限委譲に強く抵抗している。自民党地方分権改革推進特命委員会からも「分権を推進すれば国がよくなるというのは間違いだ」といったクレームがついた。選挙区では分権推進と言いながら、永田町では官僚とタッグを組んで自分たちの権力を守ろうとする。こうした族議員を排除しなければ「官治」を「自治」に改めることはできない。(スキップビート78 6月12日付け三条新聞)

トラックバック

このエントリーのトラックバックURL:
http://sugihit.com/cgi/mt/mt-tb.cgi/107

コメントを投稿

(いままで、ここでコメントしたことがないときは、コメントを表示する前にこのブログのオーナーの承認が必要になることがあります。承認されるまではコメントは表示されません。そのときはしばらく待ってください。)