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さすが諸橋博士の下田村~急げ小中学校の環境改善

 「三条市って本当にお金がないみたいですね」。市外から転入してきた小学校教諭の感想だ。
 この先生は以前、旧下田村の小学校に勤務したことがある。「下田村当時は感じませんでしたが、三条市になったら本当に学校予算が少なくて、備品を買いたいと思ってもなかなか買えないんです」。それほど極端な差はないだろうと思いつつ、調べてみて驚いた。
 合併前の平成16年度決算によると、児童1人当たりの小学校管理費は旧下田村が18万7048円、旧栄町が11万5830円だったのに対し、旧三条市はわずか6万1555円。旧三条は旧栄の約半分、旧下田の3分の1以下だったことになる。管理費には消耗品や備品の購入費、工事請負費、光熱水費、学校施設保守管理委託料などが含まれている。
 合併後の18年度決算では、新三条市全体の平均が児童1人当たり12万1754円となった。旧三条の小学校は2倍近くに増え、旧栄も微増となったものの、旧下田の小学校は35%もの大幅減となったわけだ。
 小学校1校当たりの児童数が旧三条は330人、旧栄は229人、旧下田は107人。大規模校と比べれば小規模校はコストがかかる。
 こうしたスケールメリットの差もあるとはいえ、児童1人当たりで3倍もの違いがあり、先生が「三条は予算が少ない」と感じるのも無理はない。旧三条市内では傷みの激しい校舎の壁など、本来は市の予算で行うべき修繕を、予算配分が少ないためにやむを得ずPTA会費で行っている小学校まである。
 さすがは大漢和辞典の諸橋轍次博士を生んだ下田村。たとえ財政が厳しくても、教育には金を惜しまなかった。そういえば漢学の里・諸橋轍次記念館の上映ビデオは、いまも字幕やナレーションは「南蒲原郡下田村」のまま。三条市が教育を尊ぶ精神を受け継ぎ、旧下田並みに教育予算を増やさない限り、字幕やナレーションは変わらないのかもしれない。
 ちなみに三条市内から市外の中学校に通っている生徒は今年度、79人いる。中高一貫の燕中等教育学校がもっとも多い32人、新潟大学附属中が長岡、新潟合わせて21人、新潟市内の私立中が13人など。中学受験の難関を突破した優秀な子どもたちだ。
 大都会のように成績や保護者の経済力によって、中学校段階から子どもたちの通う学校が違ってくる社会に、いずれ三条もなってしまうのだろうか。そうしないためにも、市立小中学校の環境改善は大切だ。(スキップビート75 5月8日付け三条新聞)

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