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大惨事の川を安らぎの川に  ソフト面の活用考えよう

 三条市の五十嵐川改修事業が20年度でほぼ完了する。県や市では大惨事の川を安らぎの川に変えるべく、芝生広場や散策路の整備なども行うことにしている。
 平成16年7月13日の集中豪雨で破堤した五十嵐川。被害は死者9人、重軽傷者80人、浸水建物1万棟以上に及んだ。
 激甚災害の指定を受け、同年から着手した改修事業の総事業費は、関連事業を含めておよそ400億円。230世帯の移転と400棟の物件補償を伴う大事業だけに、当初は5年の事業期間内に完了できるか危ぶまれたが、20年度末には御蔵橋、嵐川橋、常盤橋の架け替え工事を含めて河川改修そのものは終わる見通しとなった。仮橋の撤去や排水機場整備の一部は21年度にずれ込む。
 7・13の大惨事を忘れないために、県や市では諏訪地内、決壊地点の堤防沿い1800平方㍍にメモリアルパークを整備、記念碑や東屋などを設置することにしている。
 御蔵橋下流の右岸側2500平方㍍、左岸側1800平方㍍と、嵐川橋下流の左岸側550平方㍍の3か所には、水防用土砂置き場を兼ねた緑地を整備、ベンチなどを設置する。
 河川敷内では、渡瀬橋から田島橋までの間の両岸高水敷約4万平方㍍に芝を植える。このうち三条商業高校の裏手付近では、堤防ノリ面を観客席としても使えるように20段余の階段状に整備。高水敷の幅も20㍍から25㍍ほどあるため、そこに特設ステージを設置すれば1千人規模のイベント開催が可能となる。
 JR橋より下流は高水敷の幅員が両岸とも7㍍ほどしかない。イベント広場的な活用は難しいものの、市民が散歩したり、四季の風景を愛でることができるようにと両岸それぞれに幅員3㍍の散策路を設置することにしている。散策路以外の高水敷や堤防ノリ面への植栽などについては、近隣の自治会や商店街などと管理方法も含めて協議している。
 このほか市では高水敷のどこかにカヌー乗り場などを設置できないか、県と協議している。
 五十嵐川改修事業では、230世帯が移転した。この機に新しい市街地づくりの核を作るといった、ピンチをピンチだけで終わらせず、次につながる施策が展開できたら良かったのだが、時間的、財政的な制約があり、移転先はバラバラ、新しい町並みづくりに結び付けることはできなかった。災害復旧関連の市の財政負担はおよそ31億円。これらの影響は当分続く。
 このまま7・13水害の負の遺産だけを後世に残すようなことがあってはならない。水害に強い川となることはもちろんだが、加えて五十嵐川が市民の憩いの場として生まれ変わった、中心市街地に人を呼び戻す一助となったといった、プラス面も引き継ぐようにしなければならない。
 ハード面の整備は20年度で終わるとして、これからはオープンカフェなどの仕掛けや、かつての夏まつり灯篭流しや五十嵐川フェスティバルのようなイベント開催など、ソフト面の活用を考えていかなければならない。(スキップビート72 3月21日付け三条新聞)

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