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2008年03月29日

雨でも雪でも遊べる子どもの国に 平成8年18億を投じた栄庁舎

 「三条市には雨の日や冬期間でも子どもが遊べる場所がない。燕市の『子どもの森』のような施設が三条にもあるといいのに」。こうした声を受け、三条市では栄庁舎を子育て支援施設兼子どもの遊び場とする計画を練っている。
 旧栄町役場の栄庁舎は鉄筋コンクリート造り3階建て、延べ5061平方㍍。現在、1階の一部を窓口業務などを行う栄サービスセンターが、2階の一部を教育委員会が使用している。栄町時代は本会議場や委員会室、議員控え室などだった3階は、ほとんど使われていない。
 栄庁舎は平成8年に18億円もの巨費を投じて造られた施設。3分の1近くものスペースを遊ばせておくのはもったいない。一方で三条市には冬期間でも子どもたちが安心して遊べる場所が少ない。「子育て環境の充実」は国定市政が掲げる6つの重点施策のひとつ。そこで栄庁舎を子どもの遊び場も備えた子育て支援の拠点施設にできないかとのアイデアが浮かんだ。
 具体的な計画は20年度に設置する協議会で検討することにしているが、現時点では親子が気軽に集え、親同士が交流でき、子どもたちがのびのびと遊べる場とすることを目指している。
 子どもたちの感性を磨き、想像力を高めるために絵本や児童書、親向けには育児書などをそろえた図書館の併設や、子育てに関する情報提供や相談を受け持つコーナーの設置、さらには休日の一時保育なども実施できないかどうか、市の財政状況を踏まえながら検討することにしている。
 前段として市はことし4月1日付けの組織改革で、子育てに関する部署を栄庁舎内の教育委員会にまとめた。小中学校の教育を担当する学校教育課に加え、これまでは福祉保健部や市民部に分かれていた保育所、子育て支援センター、児童クラブ、児童手当、妊産婦や乳幼児の医療費、母子健康手帳の交付、放課後子ども教室、学校給食、青少年健全育成などに関する業務を、教育委員会内に新設した子育て支援課に統合。出産から義務教育終了までの子育てに関する行政機能を栄庁舎に集約した。
 最近、首都圏などでは子どもたちが遊べる遊具コーナーを設け、親たちは安心してのんびり友人と食事やお茶を楽しめる親子連れ向けカフェレストランが流行っているという。三条にはまだそうした店はない。
 広さの割に職員が少ないためか、合併後、どことなく閑散とした雰囲気のある栄庁舎。ここが季節や天候に関係なく子どもたちがくたくたになるまで遊べ、親は息抜きしたり、同じような子を持つ親と情報交換したり、悩み事があれば専門家に相談できるような場に生まれ変われば、一挙ににぎやかになる。公共施設は寂しいよりにぎやかな方がいいに決まっている。(スキップビート73 3月29日付け三条新聞)

2008年03月23日

大惨事の川を安らぎの川に  ソフト面の活用考えよう

 三条市の五十嵐川改修事業が20年度でほぼ完了する。県や市では大惨事の川を安らぎの川に変えるべく、芝生広場や散策路の整備なども行うことにしている。
 平成16年7月13日の集中豪雨で破堤した五十嵐川。被害は死者9人、重軽傷者80人、浸水建物1万棟以上に及んだ。
 激甚災害の指定を受け、同年から着手した改修事業の総事業費は、関連事業を含めておよそ400億円。230世帯の移転と400棟の物件補償を伴う大事業だけに、当初は5年の事業期間内に完了できるか危ぶまれたが、20年度末には御蔵橋、嵐川橋、常盤橋の架け替え工事を含めて河川改修そのものは終わる見通しとなった。仮橋の撤去や排水機場整備の一部は21年度にずれ込む。
 7・13の大惨事を忘れないために、県や市では諏訪地内、決壊地点の堤防沿い1800平方㍍にメモリアルパークを整備、記念碑や東屋などを設置することにしている。
 御蔵橋下流の右岸側2500平方㍍、左岸側1800平方㍍と、嵐川橋下流の左岸側550平方㍍の3か所には、水防用土砂置き場を兼ねた緑地を整備、ベンチなどを設置する。
 河川敷内では、渡瀬橋から田島橋までの間の両岸高水敷約4万平方㍍に芝を植える。このうち三条商業高校の裏手付近では、堤防ノリ面を観客席としても使えるように20段余の階段状に整備。高水敷の幅も20㍍から25㍍ほどあるため、そこに特設ステージを設置すれば1千人規模のイベント開催が可能となる。
 JR橋より下流は高水敷の幅員が両岸とも7㍍ほどしかない。イベント広場的な活用は難しいものの、市民が散歩したり、四季の風景を愛でることができるようにと両岸それぞれに幅員3㍍の散策路を設置することにしている。散策路以外の高水敷や堤防ノリ面への植栽などについては、近隣の自治会や商店街などと管理方法も含めて協議している。
 このほか市では高水敷のどこかにカヌー乗り場などを設置できないか、県と協議している。
 五十嵐川改修事業では、230世帯が移転した。この機に新しい市街地づくりの核を作るといった、ピンチをピンチだけで終わらせず、次につながる施策が展開できたら良かったのだが、時間的、財政的な制約があり、移転先はバラバラ、新しい町並みづくりに結び付けることはできなかった。災害復旧関連の市の財政負担はおよそ31億円。これらの影響は当分続く。
 このまま7・13水害の負の遺産だけを後世に残すようなことがあってはならない。水害に強い川となることはもちろんだが、加えて五十嵐川が市民の憩いの場として生まれ変わった、中心市街地に人を呼び戻す一助となったといった、プラス面も引き継ぐようにしなければならない。
 ハード面の整備は20年度で終わるとして、これからはオープンカフェなどの仕掛けや、かつての夏まつり灯篭流しや五十嵐川フェスティバルのようなイベント開催など、ソフト面の活用を考えていかなければならない。(スキップビート72 3月21日付け三条新聞)

2008年03月03日

「大人になったら、したいこと」三条市は踏切の新設や拡幅

 「大人になったら、したいこと」。JR東日本「大人の休日倶楽部」のキャッチコピーだ。三条市がいま、したいことは踏切の新設や拡幅。大人になろうが、なるまいがJRはなかなか首を縦に振ってはくれない。
 鉄道敷はJRの所有地。そこに道路を通して車や歩行者が通れるようにしようとするにはJRの同意がいる。JRは事故防止のため基本的に踏切ではなく、道路が線路敷の上空を通るか、あるいは地下をくぐる立体交差とすることを望んでいる。
 立体交差が無理な場合、踏切が増えないようにすることが原則。以前は踏切をひとつ増やすなら、別の踏切をひとつ減らすことが同意の条件だった。最近はさらに厳しくなり、新設する踏切の幅員と廃止する踏切の幅員を同じにすることも求めている。つまり幅員8㍍の踏切を新設する場合、同規模の踏切か、もしくは幅員4㍍の踏切を2か所廃止しなければならない。
 三条市はこれまでも鉄道敷と交差する道路を整備する都度、JRと協議してきた。その結果、月岡と東本成寺を結ぶ西大崎西本成寺線の信越線との立体交差橋を造った際にはガスタンク脇の踏切を廃止した。
 西中地内で長岡見附三条線が信越線の下をくぐるようにした際には旧五明踏切を廃止した。
 踏切より交通事故の心配が格段に低い立体交差ですら、既存踏切の廃止が同意の条件だったわけだから、平面交差ではさらに条件が厳しくなる。三条東病院近くの北入蔵踏切を拡幅した際には、近くの界川踏切を廃止した。
 現在、市がJRと協議中なのは栄地区の東西幹線道路となる矢田中曽根新田線の信越線との交差部分。市は戸口地内に幅員10・5㍍程度の踏切を新設し、平面交差とする方針だが、JRの同意を得るには付近3か所の踏切を廃止しなければならない。3か所まとめないと10・5㍍に達しないのだ。
 牛ヶ島踏切などは、市がその南北両側2キロ余を13年がかりで2億3000万円を投じ、ようやく幅員7・4㍍に拡幅したのに、肝心の踏切の拡幅ができないために大型車は進入禁止のまま。なんの事業効果もあげられずにいる。
 事故防止のために踏切は少ないに越したことはない。しかし狭くて危険な踏切を拡幅するのもダメというのは、あまりに硬直的すぎるのではないだろうか。
 鉄道敷所有者の権利をここぞとばかりに振りかざすなら、所有者の義務もきっちり全うしてもらおうではないか。鉄道敷の雑草がカメムシなど害虫の発生源となった場合、除草や防除の責任はJRにある。地元要望を一切聞かないなら、地元も除草などに一切、協力せず、カメムシ被害の損害賠償を請求しようではないか。場合によっては三条市ポイ捨て等防止条例第8条「土地所有者等は、その所有し、占有し、又は管理する土地にたばこの吸い殻、空き缶等が捨てられないに当該土地を清潔にするとともに、環境美化に努めなければならない」に違反していることを告発しようではないか。われわれはー、だんことしてー、たたかうぞー!
 まあ、これは冗談。ただ、事故防止と住民、つまりはJR利用者の利便性について、もう少し柔軟な姿勢で協議できないものだろうか。「大人になったら、したいこと」。それは前向きな話し合いだ。(スキップビート71 2月25日付け三条新聞)