来年度も『選択と集中』 国定市長2度目の予算編成
三条市でも来年度予算編成作業が始まった。国定市政2度目の編成となる来年度も、「選択と集中」がキーワードとなりそうだ。
21日に各課予算要求を締め切り、12月上旬まで財務課によるヒヤリングを実施。計数整理後、来年1月から理事者査定に入る。
三条市の19年度当初予算は、一般会計が前年度比4・5%増、特別会計を含めた総額は4・3%増だった。国定市長は最初の予算編成で人件費などを切り詰める一方、子育て支援や緊急内水対策などを伸ばす積極予算を組んだ。
20年度の一般財源は、約5億円減の244億円程度となる見通しだ。一般財源とは、使い道が特定されておらず、市の裁量で使える地方税や地方交付税などのこと。5億円減は地方交付税の合併特例分などが減るためだ。
このマイナスをどうやってカバーするかが編成のポイントのひとつ。歳出ではただでさえ高齢者福祉、児童福祉などの社会保障に必要な扶助費と、借金返済の公債費だけで2億8000万円も増える。職員数をさらに減らすことで人件費は3億6000万円減るが、これだけでは到底、足りない。財務課では各課予算要求にあたり、施設管理費などの経常的経費を5%減らす、いわゆるマイナスシーリングを設定した。
もうひとつのポイントは政策的な事業の推進度合い。五十嵐川改修事業や緊急内水対策、新保裏館線や国道403号三条北バイパスといった継続事業は、ペースを落とすわけにはいかない。国県の補助をうまく活用しながら引き続き進めていかなくてはならない。
民生関係では斎場の建設工事着手、し尿処理場の用地買収がある。地域の医師会と検討を重ねてきた救急診療所の新設もあれば、調査事業を行った高速道栄パーキングエリアへのスマートインターチェンジ設置事業もある。
三条高校跡地を県から購入するための財政負担も必要となる。また新市建設計画では第二中学校区の公民館建設も予定されている。
これらの事業のどれを選択し、どれを先送りするのか、あるいはすべてを選択するには資金繰りをどうするのか、これから編成作業のなかで協議することになる。
なお市の借金となる市債、債務負担行為、一部事務組合債は9月末時点で合わせて974億1600万円、市民1人当たり91万2679円。対して貯金となる財政調整基金、市債管理基金、職員退職手当基金は合わせて44億4700万円。「裕福なまち」には程遠いが、かといって市民要望の強い事業や将来への投資をすべて先送りするわけにもいかない。市長の政策判断が求められる日々が続く。(スキップビート67 11月29日付け三条新聞)