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揺れる再開発ビル パルム④  華やかなオープンからわずか20年

 パルムでもっとも微妙な問題が、パルム1の地元権利者42人への対応だ。法的責任といった理屈だけでは割り切れないだけに、市も慎重に検討している。
 再開発事業施行時、対象区域の権利者は192人だった。代替地を求めて移転した人もいれば、権利を売却し、一時金を得て転出した人もいる。
 一時金の平均は1坪(3・3平方㍍)当たり約64万円だった。昭栄通り商店街に面した土地だけではない。奥まった土地も含めての平均だ。バブル期に加え、拒否者が一人でもいれば事業全体がストップするだけに、全員の理解を得られる金額算定となった。
 権利者は一時金を受け取るのか、権利を持ち続けるのか選択できた。パルム1に権利を持ち続けたのが42人。市が示した家賃収入予想額を考慮して判断した。
 当初の家賃単価は1坪当たり月額6400円。ところが早くも2年後には落ち始め、平成12年には3571円まで下がった。翌13年のイオン撤退後は固定資産税に回すのが精一杯となり、以後、地権者の手取りはゼロとなっている。
 これまでの家賃収入を合計すれば、一時金は上回る。しかしイオンの特例期間が終わる来年3月以降は固定資産税の負担が重くのしかかってくる。家賃収入が固定資産税を下回る状況だけに処分するのも難しい。地元権利者の大多数は市への権利譲渡を求めている。市が持ちかけた再開発事業に協力してくれた人たちだけに、対応が難しい。
 パルム問題は、イオンの権利、地元地権者の権利、立体駐車場整備への貸付金など様々な要素が絡み合っている。根幹は中心市街地の核施設がどうあるべきなのかという点だ。パルム1を商業ビルとして残すのか、オフィスや住居など他の用途の施設に転用するのか、あるいは解体してまったく別の土地利用を考えるのか。
 國定市長は6月定例会で「パルムは市街地再開発事業で建設した施設だが、法律に基づく権利変換は適法に処理されていることから、事業の実施、権利変換手続き自体に市には法的責任はないと考えている。また権利変換後における資産価値の保証、権利者の生活面の保証まで市が全面的に責任を負うものだはないというのが基本的スタンス」と答弁した。
 だからといって市は知らぬ顔はできない。市長は「しかしながら市街地再開発事業の継続性など都市政策の観点や、中心市街地の活性化を考えたときに、行政としてどういった対応をなすべきなのか検討しなければならない」とも答えている。
 華やかなオープンからわずか20年でこのような事態を迎えるとは、当時の関係者も想像していなかっただろう。市はパルム1をどう位置付けるのか、そのうえでイオン、地元地権者、テナント、立体駐車場整備㈱にどう対応するのかをできるだけ早く、遅くともことし九月までに決めることにしている。(スキップビート56 7月20日付け三条新聞)

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