1週間先送りの参院選~政治離れはますます
国会の会期延長に伴い、参院選の日程が1週間先送りされ、7月12日公示、29日投開票となった。政府のお偉いさんたちは現場の混乱を知っているのだろうか。
全国の選挙管理委員会同様、三条市の選管も7月5日公示、22日投開票の予定で準備を進めてきた。
公示目前の日程先送りを受け、まずは投開票所を確保しなければならない。投票所は三条市内53か所。内訳は保育所・園や児童館が17か所、小中学校が18か所、公民館や集会所など他の公共施設が18か所。
22日の予約を29日に変更しようとしたところ、すでにPTAや町内会などへの貸し出しが決まっていた体育館や地区公民館などが5、6か所あった。開票所となる厚生福祉会館でも社交ダンスのイベントが行われる予定になっていた。
投開票所を変更しようにも、近所で適した施設を見つけるのは難しい。コロコロ変えては有権者にも迷惑がかかる。市選管は先に予約していたPTAや町内会、イベント主催者などに頼み込んで行事の日程を変更してもらった。
22日の協力を依頼していた各投票所の投票管理者と立会人合わせて159人、また17日間にわたって市役所第二庁舎、栄庁舎、下田庁舎の3か所で行う期日前投票の管理者、立会人合わせて延べ153人の日程も変わる。「22日なら協力できたが、29日は予定が入っている」という人もいて、現在、その確認作業と不都合な人の代わりの協力者探しを進めている。
市内全戸に郵送する投票所入場券約3万6000枚は、7月上旬に発送する予定だったため、すでに印刷した。はがき大の入場券に印刷してある投票日は「7月22日」。すべて廃棄し、刷り直さなければならない。
市内384か所に設置する公営ポスター掲示場も作成済みだが、こちらの投票日も7月22日。「22日」の部分に「27日」のシールを張らなければならない。
こうした経費も国が委託金で負担するのか、あるいは市が勝手に先走ったのだからと市の負担になるのか、市選管は「現時点ではまだ分からない」と話している。
通常国会の会期は150日間と決まっている。その間に決着が付けられなかったからといって、参院選の日程を変更してまで成立を期すほど国家公務員法の改正は急務なのだろうか。いままで官僚の天下り先となる特殊法人をせっせと作ってきておきながら、にわかに天下り規制が喫緊の課題と言われても、それを素直に受け止める国民はどのくらいいるだろう。
「年金隠し」とは思えない。年金問題を念頭に投票する人はするし、しない人はしない。1週間で忘れるほど国民はバカじゃない。心配なのは投票日が夏休み最初の週末となり、若い世代がレジャーなどに出かけることによって投票率が下がることだ。若い無党派層の棄権が増えれば、どの政党が有利になるのか。そこを考えての会期延長だとしたら、政治離れはますます進んでしまう。(スキップビート52 6月27日付け三条新聞)