子守唄聞かせ母乳で育児?
政府の教育再生会議が「親学」に関して緊急提言を行うかどうか、揺れているという。政府が親学を啓発することの是非は別として、教育力がそこまで低下したのは事実なのだろう。
教育再生会議は4月25日の運営委員会で「親学に関する緊急提言」の概要をまとめた。ポイントは「子守唄を聞かせ、母乳で育児」「授乳中はテレビをつけない。五歳から子どもにテレビ、ビデオを長時間見せない」「早寝早起き朝ごはんの励行」「PTAに父親も参加。子どもと対話し、教科書にも目を通す」「インターネットや携帯電話で有害サイトへの接続を制限するフィルタリングの実施」「企業は乳児休憩で母親を守る」「親子でテレビではなく、演劇などの芸術を鑑賞」「乳幼児健診などに合わせて自治体が親学講座を実施」「遊び場確保に道路を一時開放」「乳児段階であいさつなど基本の徳目、思春期までに社会性を持つ徳目を習得させる」「思春期からは自尊心が低下しないよう務める」の11項目。
提言内容が報じられると批判が噴出した。「家庭内のことまで国が指図したり、教育観を押し付けるのは超管理社会だ」「子守唄や芸術鑑賞などはお節介にすぎる」「遊び場確保がなぜ公園やグラウンドではなくて道路なのか」などなど。
これを受けて同会議は5月11日の合同分科会で緊急提言の見送りを決めた。政府内や委員から「母乳が出ない親への配慮が必要」「提言の政策的裏付けがない」などの慎重論が出たためという。
7月の参院選を前に「母乳による育児」などの提言を行えば女性や無党派層の反発を招くとの懸念もあったようだ。
提言内容に「早寝早起き朝ごはん」などもっともなことがあっても、それを政府が行うべきかどうかとなると意見が分かれるのだろう。名古屋市教育委員会などは講座開催やパンフレット配布などで積極的に親学を奨励しているが、それほど批判はない。
学校給食費を払う経済力があるのに払わない、幼児を車内に放置してパチンコに熱中する、友人とスノーボードに出かけている間に自宅に置き去りにした幼児を火事で焼死させる。こうした親は極端としても、子どもに朝ごはんを食べさせない、夜更かしや長時間のゲーム遊びを放置するといった親がいることも事実。政府が親学の提言を検討するほど、家庭教育が危機に瀕しているということだ。
さて三条市。ある小学校が土曜日に保護者参観を行った。多数の保護者が参加したまでは良かったが、授業中、教室内や廊下で保護者たちがペチャクチャと話をしている。子どもの発言が聞こえないほどで、たまらず教師が注意した。教師は「親御さんの反感を買うのではと、ちょっとためらいましたが、授業ができないもので」。
授業参観中は私語を慎む。親学などとたいそうな名前を付ける以前の問題だ。(スキップビート47 5月24日付け三条新聞)