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2007年05月25日

子守唄聞かせ母乳で育児?

 政府の教育再生会議が「親学」に関して緊急提言を行うかどうか、揺れているという。政府が親学を啓発することの是非は別として、教育力がそこまで低下したのは事実なのだろう。
 教育再生会議は4月25日の運営委員会で「親学に関する緊急提言」の概要をまとめた。ポイントは「子守唄を聞かせ、母乳で育児」「授乳中はテレビをつけない。五歳から子どもにテレビ、ビデオを長時間見せない」「早寝早起き朝ごはんの励行」「PTAに父親も参加。子どもと対話し、教科書にも目を通す」「インターネットや携帯電話で有害サイトへの接続を制限するフィルタリングの実施」「企業は乳児休憩で母親を守る」「親子でテレビではなく、演劇などの芸術を鑑賞」「乳幼児健診などに合わせて自治体が親学講座を実施」「遊び場確保に道路を一時開放」「乳児段階であいさつなど基本の徳目、思春期までに社会性を持つ徳目を習得させる」「思春期からは自尊心が低下しないよう務める」の11項目。
 提言内容が報じられると批判が噴出した。「家庭内のことまで国が指図したり、教育観を押し付けるのは超管理社会だ」「子守唄や芸術鑑賞などはお節介にすぎる」「遊び場確保がなぜ公園やグラウンドではなくて道路なのか」などなど。
 これを受けて同会議は5月11日の合同分科会で緊急提言の見送りを決めた。政府内や委員から「母乳が出ない親への配慮が必要」「提言の政策的裏付けがない」などの慎重論が出たためという。
 7月の参院選を前に「母乳による育児」などの提言を行えば女性や無党派層の反発を招くとの懸念もあったようだ。
 提言内容に「早寝早起き朝ごはん」などもっともなことがあっても、それを政府が行うべきかどうかとなると意見が分かれるのだろう。名古屋市教育委員会などは講座開催やパンフレット配布などで積極的に親学を奨励しているが、それほど批判はない。
 学校給食費を払う経済力があるのに払わない、幼児を車内に放置してパチンコに熱中する、友人とスノーボードに出かけている間に自宅に置き去りにした幼児を火事で焼死させる。こうした親は極端としても、子どもに朝ごはんを食べさせない、夜更かしや長時間のゲーム遊びを放置するといった親がいることも事実。政府が親学の提言を検討するほど、家庭教育が危機に瀕しているということだ。
 さて三条市。ある小学校が土曜日に保護者参観を行った。多数の保護者が参加したまでは良かったが、授業中、教室内や廊下で保護者たちがペチャクチャと話をしている。子どもの発言が聞こえないほどで、たまらず教師が注意した。教師は「親御さんの反感を買うのではと、ちょっとためらいましたが、授業ができないもので」。
 授業参観中は私語を慎む。親学などとたいそうな名前を付ける以前の問題だ。(スキップビート47 5月24日付け三条新聞)

2007年05月24日

光化学スモッグ 三条市では127人に被害

 9日、三条・燕地域で光化学スモッグが発生、小学生や高校生など100人以上に被害が出た。三条市が5億円近くを投じて整備した防災行政無線は、県からの連絡の遅れによって何の役にも立たなかった。
 光化学スモッグは、排ガスなどに含まれる窒素酸化物や炭化水素が、日光の紫外線によって化学反応を起こし、有害な光化学オキシダントを生成することで発生する。人体に悪影響を及ぼす大気汚染のひとつで、目やのどの痛み、めまい、頭痛などのほか、意識障害が起きることもある。
 三条・燕地域では9日、オキシダント濃度が0.12ppmに達した。この結果、県のまとめによると三条市内で小学生4人、高校生116人、おとな7人の計127人、燕市で高校生11人がのどの痛みや咳などの症状を訴えた。
 大半の市民は同日午後6時以降のテレビニュースまで光化学スモッグの発生を知らなかった。知らずに屋外で遊ばせていた子どもがのどの痛みを訴え、不思議に思っていたところニュースで光化学スモッグの発生を知り、痛みの原因が分かった親もいる。
 三条市は平成16、17、18年度の3年がかりで4億7250万円を投じ、同報系防災行政無線を整備した。市内179か所に屋外スピーカーを設置してあり、市民に緊急連絡ができるようにしてある。登録者には緊急情報をメール配信することもできる。現在の登録者は3744人。
 光化学スモッグ発生の情報は、屋外スピーカーから市民に伝わることはなく、メール配信もなかった。
 この日、県から三条市に最初に連絡が入ったのは午後2時17分。ファックスによる「光化学スモッグ情報」で、「三条・燕地域では、現在、オキシダント濃度が上昇しており、気象条件からみて、今後も濃度が上昇されることが予想されます。濃度が0.12ppmを超えた場合、県は光化学スモッグ注意報を発令しますから、今後の情報に注意してください」というものだった。
 この情報発信の決定時間は午後1時22分。三条市にファックスが届くまで、実に55分もかかっている。情報を受け取った市生活環境課は、関係課を通じて市内の小中学校や保育所などに伝達した。
 注意報発令はその約3時間後の午後5時20分。ところが発令情報が県から三条市に届いたのも、発令から実に57分もあとの午後6時17分。この時点で市が県に確認したところ、オキシダント濃度はすでに0.117ppmに下がっていた。日が暮れかかっていることもあり、結局、市は防災行政無線などで市民に周知することはしなかった。
 いくら金をかけてハードを整備しても、それに携わる人間の意識を含めたソフトを整えておかないと、何にもならないという典型例だ。
 県が市町村の危機管理を指導してくれるのはありがたいが、同時に自分たちのお役所仕事ぶりも見直すべきではないだろうか。(スキップビート46 5月23日付け三条新聞)

2007年05月07日

観光振興に凧合戦を!!

 前回に続いて観光施策について。三条市の観光基本計画では扱いが軽いものの、観光振興にはうってつけと思われるイベントがある。凧(いか)合戦だ。
 観光基本計画は、さほど凧合戦を重視していない。「四季別に見た主な観光資源(要素)」の一覧表で、他の百余りの項目と一緒に並べてあるだけ。観光振興戦略テーマにも、リーディングプロジェクトにも取り上げていない。
 三条凧合戦には350年余の伝統と、六角巻凧発祥の地というブランドがある。身分社会だった江戸時代、武家の子どもが凧を揚げているのを見て、鍛冶屋の子どもたちが姿を隠したまま遠くから揚げた凧を操り、武家の子の凧の糸を切って日頃のうっぷんを晴らしたのが合戦の始まりという物語性もある。
 凧揚げは老若男女が楽しめる。小さな凧を揚げて楽しむだけでなく、大凧やスポーツカイトなどを見て楽しむこともできる。県内に限らず、全国各地で凧イベントが開かれている。静岡県浜松市、石川県内灘町、神奈川県相模原市、埼玉県春日部市、富山県射水市、兵庫県姫路市、愛知県田原市、滋賀県東近江市などなど。それだけ凧キチがいるということだ。なかには数万人、数十万人の観光客を集める大イベントに成長させた地域もある。
 三条凧合戦もプロデュース次第で他地域以上の観光イベントになるのではないだろうか。三条競馬場跡地という格好の会場もある。駐車場も燕三条駅からの距離も問題ない。
 伝統の六角凧による空中戦を核に、スポーツカイトなどの競技、世界のさまざまな凧のデモンストレーション、手作り凧コンテスト、カメラを取り付けた巨大凧による上空からの合戦実況中継、三条名産品などの露店市、凧ばやし踊りの上演などを組み合わせる方法もある。
 「よく揚がる(上がる)」ことから「合格祈念」の名前入りミニ六角凧を受験生やその親族向けに販売することも考えられる。
 江戸時代の衣装をまとった陣屋組と鍛冶屋組を作り、六角凧伝統の一戦を再現してもおもしろい。その際、陣屋組のメンバーは市職員や警察官などの公務員、対する鍛冶屋組は凧協会のベテラン。陣屋組がべちゃ負けするだけで反骨精神旺盛な三条市民に大うけすること間違いない。
 三条凧協会にプロデュースまで頼んでも無理だ。凧協会は基本的に揚げ師の団体。いまでも合戦の会場設営や後進の指導などに忙しい。何より合戦を楽しむことが第一義とあって、観光イベント化にまで手は回らない。
 プロデューサーと実務に協力してくれる人たち、そして資金が必要だ。市は観光基本計画策定のために17、18年度の2年間で571万2000円も使った。その金を凧合戦の観光化に振り向ければ、イベント活性化の端緒になるのではないだろうか。(スキップビート45 5月6日付け三条新聞)