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2007年04月28日

観光に結び付く名物料理を

 三条市の名物料理、代表的な食材は何だろう。観光に結び付く食べ物を作り出せないものだろうか。
 三条市はことし3月、観光基本計画を策定した。平成17年に133万人余だった観光客入込数を、26年には約5割増の195万人にするとしている。目標を達成すれば53億円の生産波及効果と25億円の所得効果、500人の雇用効果が生ずるという。
 目標実現のために何をやるのかというと、そこはお役所の計画。あれもこれもと総花的にテーマや事業が羅列してあり、核が分かりにくくなっている。どれも行政だけでは実現できない、関係者の努力が不可欠な事業のため、どれかが盛り上がり、実を結べばいいということなのだろう。
 そのひとつに「食の魅力向上」がある。多彩な食材を生かし、地域の代表的な郷土料理や食材をメニューに用いるなど「三条らしさ」が息づく食文化の創出を検討するという。
 食による観光の成功事例には福島県喜多方市のラーメン、栃木県宇都宮市の餃子などがある。どちらもそれほど歴史があるわけではない。
 喜多方は昭和50年代、蔵が取り壊されていくことに心を痛めた地元の写真家が写真展を開いたことがきっかけで「蔵のまち」として有名になり、観光客が食べたラーメンのおいしさが口コミで広まって「蔵とラーメンのまち」になった。観光客は年間100万人を超えている。
 宇都宮の餃子に至っては平成になってから。宇都宮市役所の職員研修グループが宇都宮市のPR策を研究。宇都宮で日本一はと探した結果、世帯当たりの餃子購入費が日本一であることが分かり、以後、官民挙げて宇都宮餃子の売り出しに励んだ。現在、宇都宮餃子会加盟店は70を超えている。観光客は年間1300万人以上。来訪目的の1位は餃子で6割、2位が買い物で4割との調査結果もある。
 ラーメンなら喜多方より三条の方がうまいと思うのは三条もんだからだろうか。三条には車ふもあれば漬物、果樹、ひこぜん焼き、タケノコもある。食材がそろっているのに、残念ながら多数の観光客を呼び込むような名物料理は育っていない。
 市内には休耕田を活用してドジョウの養殖に取り組み始めた農家グループもある。食べてみると泥臭さがまるでない。ドジョウのカルシウムはウナギの9倍。ビタミンDやたんぱく質も豊富に含まれている。六角凧の形に揚げた「凧揚げならぬかき揚げだ」ではオヤジギャグか。
 いずれにしても「三条といえばこれ」と売り出せる名物料理が必要なのではないだろうか。宇都宮の餃子のように、伝統にこだわらなくても名物を創り出すことはできるのだから。(スキップビート44 4月27日付け三条新聞)


2007年04月25日

10月から大崎小で実験開始

 三条市が総務省の地域児童見守りシステムモデル事業の採択を受けた。ことし10月から大崎小学校(中俣恒校長・児童836人)で実験を開始する。
 同事業はICT(情報通信技術)と人的ボランティアのネットワークを組み合わせ、子どもの安全と保護者の安心を確保する試み。
 児童たちは登下校などの際に携帯電話ほどの大きさの電子タグをランドセルに付けたり、首にぶら下げる。学校の校門や通学路の主要地点には電子タグリーダー(読み取り機)を設置する。
 これによって、どの児童がどの地点を通過したとの情報が瞬時に学校のパソコンに届く。希望する保護者の携帯電話やパソコンには「何時何分に学校に到着した」「何時何分に下校した」といった情報を送信する。
 電子タグには緊急通報ボタンも付ける。万が一のとき、児童がボタンを押せば学校や保護者をはじめ、地域ボランティアの携帯電話にも緊急連絡が届き、迅速な対応ができる仕組みとなっている。
 総務省がことし2月、自治体やNPOなどを対象に、構築するシステムの提案を公募。全国から49件の応募があり、内容を審査したうえで16件を採択した。新潟県内の採択は三条市だけだった。
 三条市は6月定例会で事業費3507万3000円の予算補正を行ったうえでシステムを構築し、10月から実験を開始。今年度内に検証を行う。事業費は全額、総務省からの委託料で、市の負担はない。
 対象校は児童数がもっとも多いこと、通学範囲が広いこと、登下校時の街頭指導などのボランティア活動が盛んなことなどから大崎小に決めた。電子タグは全児童836人に配り、学区内20か所ほどに電子タグリーダーを設置する。
 三条市では検証の結果、コストも含めて普及可能であれば全市にこのシステムを広げていくことにしている。
 なぜ三条市が選ばれたのか。国定市長は総務省出身。同省の先輩や同僚たちの、国定市長への温情とは言わないが、少なくとも総務省がモデル事業を公募するという情報をいち早く入手し、採択されやすいシステム内容を提案したことは確か。他の採択市に横浜市、大阪市、広島市などの大都市が顔を並べていることを見ても、こうした国のモデル事業は情報収集力と提案力で勝負が決まると言える。
 ICTを活用した子どもたちの安全確保対策については、まだどういう方向に進むか分からない。三条市が提案した電子タグ方式のほか、GPS(全地球測位システム)機能を搭載した携帯電話によるシステムも研究されている。どちらにも一長一短があり、技術が日進月歩の今日、どういうシステムが将来、普及するのかはまだ分からない。いずれにしろ三条市は、モデル事業の採択を受けたことによって他の自治体より一歩早くICT活用の子どもの安全確保対策に取り組むことができる。
 情報収集力と企画力、加えて市の情報を適切に伝える広報機能を今後も三条市は強めていかなければならない。(スキップビート43 4月24日付け三条新聞)


2007年04月13日

大多数は全くの無関心棄権

 投票率の低迷が続いている。8日投票の県議選も低調だった。
 県議選三条市区の投票率は61・83%。燕市西蒲原郡区の54・74%よりはましだったものの、昨年11月の三条市長選より1・02ポイント、昨年4月の三条市議選より9・51ポイントも低かった。「県内最激戦区」などと言われてきたものの、戦いは局地戦でしかなかった。市民10人のうち4人にはどの陣営の訴えも届かなかった。
 近年、棄権の中身が変わってきたのではないか。以前は批判や抗議の意味を込めた棄権といった、理屈はともかく、それなりのポーズをとったうえでの棄権があった。いまは批判の対象ですらない。まったくの無関心による棄権が大多数を占めているのではないか。
 「だれが当選しても変わらない」という人もいた。何から何まで国が地方の面倒を見てきた時代がまだ続いていると勘違いしているのだろう。だれが担っても同じなら北海道夕張市も財政破綻せずにすんだ。
 無関心層を増やしている元凶は公職選挙法。戸別訪問によって候補と有権者が接触することも、リーフレットなどで候補の主張を有権者に伝えることも禁じている。「だれが何を主張しているのか違いが分からない」ために「だれが当選しても同じ」となってしまう。まして県議選は選挙公報すらない。
 「個人演説会? 行きにくいなぁ」という人も多かった。かつては立会演説会があった。同じ会場で各候補の演説を聴くことができた。いまは個人演説会に顔を出すだけで、その候補の支持者のように見られてしまいがちだ。「全候補の話を聞いてみたい」と思っても、日程を調べて回るのは容易ではない。
 首長選では青年会議所などが告示前に各予定候補による討論会などを開いてくれる。これも公選法により告示後の開催は難しい。
 立会演説会がだめなら、街頭演説を同じ場所で、時間差で開けないものだろうか。例えば旧三条競馬場のような広い場所、あるいはどこかの駐車場のような車の中でも聴ける場所に、街宣車が順に入って各候補が演説する。マスコミや青年団体などが調整役となり、各候補に時間を割り振る。今回の県議選三条市区のように候補が5人なら、1人15分ずつでも1時間15分で終わる。そうすれば有権者は個人演説会と違って「あの人はあの候補を応援しているのか」などと色眼鏡で見られることなく、各候補の主張を聴くことができる。演説だけで太鼓やのぼりなどのパフォーマンス、候補者以外の応援演説は禁止とすれば、いらぬ摩擦も避けられる。来たくない候補は来なければいいのだから、調整役もそれほど神経を使わなくていい。
 こんなことをしなくても、公選法を改正してくれれば、話は早いのだか。(スキップビート42 4月12日付け三条新聞)