« 教員獲得競争 | メイン | ネーミングライツ »

図書館は官? 民?

 風呂やトイレに本を持ち込む習慣がやめられず、家族にあきれられている。国際政治や経済原論、純文学評論といったりっぱな本なら、まだ格好も付くのだが、大衆娯楽小説のようなものばかり読んでいるので一層、馬鹿にされる。
 その結果、本を買う小遣いをどんどん減らされてしまった。いまや買うのは風呂、トイレ用の文庫本のみ。単行本などは図書館から借りるよう厳命された。
 借りてみると図書館も結構、おもしろい。20巻前後の続き物を先に借りている人がいることもある。先行者も3冊、こちらも3冊ずつ借りている。こちらが追いつくと、先行者も開架コーナーの本の並び方で追われていることに気付いたようで、早めに返してくれたりする。返すペースで先行者について「この巻は夢中で読んだらしい」「この巻はだれてるな、頑張れオヤジ」などと想像することもできる。オヤジじゃないかもしれないけれど。
 予約しておけば「ご希望の本が返ってきましたよ」と連絡もくれるし、蔵書にない本ならリクエストも受け付ける。
 三条市立図書館は築23年とあって施設は古く、開架スペースや読書コーナーも狭い。ただ読書会の設置数19サークルは県内1位。蔵書数25万5000冊は県内3位だ。蔵書のなかには三条の図書館にしかない郷土資料も含まれている。
 栄、下田、嵐南、漢学の里各分館も含めた蔵書数は29万冊。市の人口10万7000人の約2・7倍の本がある。だからといって市民1人分、2・7冊を俺にくれと言ったり、10万7000字が掲載されている本のうち、1字は俺の分だから切り取らせてくれということはできない。あたり前だが。
 三条市は経営戦略プログラムで平成20年度、図書館の運営を指定管理者、つまり民間委託の方針を打ち出している。民間の方が開館時間の延長といったサービス向上を図りやすいからという。全国的にも運営を民間に委託した図書館が増えつつあるようだ。
 イギリスは自由主義、市場経済主義の本家だからといって大英博物館の運営を民間に委託したりはしない。人類の英知を集めた施設は、民によって効率を追及するよりも、公の責任において資料の収集管理に努めるべきだからだ。
 大英博物館と三条市立図書館ではだいぶ規模が違うが、図書館にもなくしてはならない郷土の文化や知恵が保存されている。
 図書館を民間委託しても、再販制度に守られている本の仕入れ価格が安くなることはない。図書貸し出しが増えても、もともと無料とあって受託業者の利益には結びつかない。官と民の違いは人件費くらいのもの。だとすれば、委託でなくとも管理職や正職員を減らしたり、臨時職員による対応を増やすことなどで人件費を抑えることもできる。
 経営戦略プログラム全体は理に適った計画なのだが、図書館についてはより慎重な検討が必要ではないだろうか。(スキップビート35 2月4日付け三条新聞)

トラックバック

このエントリーのトラックバックURL:
http://sugihit.com/cgi/mt/mt-tb.cgi/62

コメントを投稿

(いままで、ここでコメントしたことがないときは、コメントを表示する前にこのブログのオーナーの承認が必要になることがあります。承認されるまではコメントは表示されません。そのときはしばらく待ってください。)