« 設計ミス | メイン | 図書館は官? 民? »

教員獲得競争

 ことし4月、三条市の隣に政令指定都市が出現する。消費者、労働力、企業、人口。これらの吸引力をますます強める新潟市に対し、県央合併に失敗した三条市は防戦を強いられることになる。すでに小中学校の教員人事でも新潟市志向が強まっている。
 県内公立小中学校の教員人事はこれまですべて県教委が担ってきた。4月以降、政令市内の教員人事権は新潟市教委に移る。県内の教員が、県採用と新潟市採用に分かれる。
県と新潟市のどちらを希望するか。教員の人気は新潟市に偏りそうだ。
 理由は勤務地。県の場合、採用後6年の間に自宅から通勤困難なひら場とへき地に各1回、その後も49歳までの間に通勤困難地域に1回は勤務しなければならない。魚沼や岩船、佐渡などへの異動もある。
 新潟市採用なら異動先は原則、新潟市内に限られる。県との交流人事による研修目的のへき地勤務を受け入れたとしても、行くのは1回。本人が希望しない限り、2度も3度も単身赴任することはなくなる。
 現職教員に関しては、すでに新潟市の買い手市場といった様相を呈している。新潟市内の教員定数は3200人。これに対して自宅が新潟市内にある教員は3800人。新潟市在住者が希望するだけでも定数を600人超える。この先、新潟市内に住もうと考えている教員も含めれば、新潟市は選り取り見取り。現職のなかから優秀な教員を選んで採用できる。
 新規採用試験も、県と新潟市は別々に行うことになる。新潟市がその気になれば、給与も含めた教員の待遇を向上させ、県より優秀な人材を確保することも容易だ。
 新潟市は社会人の教員採用や、独自の評価シートを使った教員評価制度の導入なども検討している。優秀な教員を確保する競争において、県内で新潟市が突出した成果を挙げ、新潟市と県内他地域の教育レベルの差が開くような事態になったら大変だ。「子育てするなら新潟市」となり、県央から新潟市への人口流出に拍車がかかってしまう。企業進出も、社員の家族のことを考えれば新潟市が選ばれる。人口の一極集中がさらに加速することになる。
 政府の教育再生会議は、教員人事権を都道府県から市町村の教育委員会に委譲することを提言した。実現すれば、三条市も人材確保に向けた独自策を打ち出すことができる。現時点では、教員間の三条市の人気は低い。三条市への異動を希望する教員が少ないことは、関係者ならだれでも知っている。改善するのは簡単ではないが、新潟市の独り勝ちを指をくわえて見ているよりは、市民と知恵を出し合い、努力する方がいい。
 それまでは県教委に、優秀な人材を新潟市に採られすぎないよう頑張ってもらわなければならない。(スキップビート34 1月31日付け三条新聞)

トラックバック

このエントリーのトラックバックURL:
http://sugihit.com/cgi/mt/mt-tb.cgi/61

コメントを投稿

(いままで、ここでコメントしたことがないときは、コメントを表示する前にこのブログのオーナーの承認が必要になることがあります。承認されるまではコメントは表示されません。そのときはしばらく待ってください。)