業態変更
都市間競争の激化を最も端的に表しているのが小売業だ。三条市は新潟、長岡両市に大きく水をあけられている。
5年に1度の商業統計調査によると、平成14年の小売業年間商品販売額は新潟市が6683億円、長岡市が2645億円。これに対して三条市は942億円で、新潟市の7分の1以下、長岡市の3分の1近い。
問題は伸び率。20年前と比べて新潟市は59・9%、長岡市は50・0%伸びているのに、三条市は19・6%にとどまっている。理由は新潟、長岡両市やインターネット・通信販売などに三条市の消費者を奪われているためだ。
三条市の小売業を従業者規模別で見ると、30人以上の大型店は24店で販売額は271億円。20年前より48・1%、販売額を伸ばしている。
一方、9人以下の商店は982店で販売額は343億円。20年前と比べて商店数は29・5%減り、販売額も19・2%減っている。
三条市の小売業は、大型店は新潟、長岡に近い率で販売額を伸ばしているものの、商店街などの小規模店は衰退していることが数字でも明確に示されている。
合併によってさらに強力になった新潟、長岡両市に、三条市の小売業はどんな方法で対抗していけばよいのだろう。
競争力のある大型店がもっと増えた方がいいとの意見もある。しかし三条市の売り場面積500平方㍍以上の大型店、中規模店は昨年6月時点で40店舗まで増え、市の全売り場面積に対する占有率が70・5%に達している。さらに増えれば小規模店は一層衰退し、大型店の共倒れも懸念される。
小規模店の活性化策はこれまでも繰り返し練られてきたが、なかなか効果が上がらない。国県の補助メニューに詳しくなっても顧客は増えない。むしろ組合員が出資して株式会社を作り、病院の売店や食堂経営、学校給食、高齢者向け給食宅配サービス、ビル清掃など次々と業務を広げている東京都足立区の東和銀座商店街のような、行政をあてにしない地域の方が元気が良い。
「新潟、長岡や地元の大型店と同じように、売り場でお客さんを待つ商売を続けるなら、大型店以上の品揃えや価格、サービスを用意しなければならない。それができないなら、お客さんを待つのではなく、お客さん宅まで出向き、家庭で必要なすべての商品の注文を取り、配達し、場合によっては電球を付け替えるといったサービスも行う会社を各業種が協力して作るべきだ。それなら大型店とは業態が違うのだから、高齢社会で十分、競争できる」との意見もある。
アスクルが中小企業向けオフィス用品販売で築いたビジネスモデルを、福祉の視点も加えた高齢世帯向けの食品、生活用品全般に転用してはどうかといったアイデアだ。IT活用で顧客データ管理などもしっかり行えば、御用聞きも効率的に行える。
これまでのハード中心の活性化策の効果が薄いことは実証済みなのだから、これまでと同じことを繰り返すのはばかげている。(スキップビート32 1月15日付け三条新聞)