« 悔悟保険 | メイン | 業態変更 »

農政まひ

 ことしからまた農政が大幅に変わる。新しい施策の名前は品目横断的経営安定対策。いかにもお役所的な、漢字を長々と並べた仰々しい名前だが、実態は強権発動的小規模農家撲滅対策だ。
 日本の農業者数は現在およそ300万戸。国はこれを農業経営体として40万戸、わずか13%にまで減らそうとしている。
 「農業者が減り、農村の高齢化が進む一方、WTO農業交渉で国際ルールも強化されるなか、日本の農業を守るには意欲と能力のある担い手が中心となった農業構造に作り変えなければならない」というのが農水省の主張。その構造改革のための施策が品目横断的経営安定対策なのだという。
 新施策は、米や大豆などの価格が下落した場合、農業者の減収の一部を補てんするという点はいままでと同じ。違いは対象者。個人や農業生産法人の場合は経営規模が4ヘクタール以上の認定農業者、集落営農組織の場合は経営規模20ヘクタール以上で経理を一元化していること、農業生産法人化計画を作ることなどが条件となる。いずれも生産調整に協力することが前提だ。
 米価などが下落した場合、国は対象者に対し、過去の平均収入との差額の67・5%を補てんする。三条市など「新潟一般地域」のコシヒカリの価格は、平成15年が60キロ当たり2万4295円、16年が1万9113円、17年が1万8303円と下がり続けている。この傾向が続けば、補てんの有無の影響は大きい。
 これに対して対象外となる小規模農家への補助金は、米価がいくら下がっても10アール当たり4000円が上限となる。生産調整に協力してもらうための措置で、これも4年後には廃止するという。
 三条市によると、市内農業者3741戸のうち、4ヘクタール以上の認定農業者は173戸。全体のわずか4・6%で、今後、経営規模を4ヘクタールまで拡大できそうな433戸と合わせても606戸、16・2%にとどまっている。
 農業生産法人は栄地区で353戸が10法人を、下田地区で191戸が8法人を設立する準備を進めている。集落営農は栄地区の4集落で86戸が、下田地区の2集落で67戸が組織化を進めている。三条地区は農業生産法人、集落営農とも現時点ではゼロとなっている。
 個人の認定農業者から集落営農までを合わせても、新施策の対象となりうるのは1303戸。市内農家の34・8%で、他の65・2%は減収補てんを受けられないことになる。
 300万戸を40万戸まで減らしたい国としては、これでもまだ多いということになるのかもしれない。農業の問題は、本当に経営規模にあるのだろうか。いずれにしろ何をどう作り、どうやって売るべきなのかという農業本来の業務より、どうすれば補助金を多くもらえるのかを優先的に考える補助金獲得業のような姿が垣間見える限り、「強い農業」の実現は難しいのではないだろうか。(スキップビート31 1月13日付け三条新聞)

トラックバック

このエントリーのトラックバックURL:
http://sugihit.com/cgi/mt/mt-tb.cgi/58

コメントを投稿

(いままで、ここでコメントしたことがないときは、コメントを表示する前にこのブログのオーナーの承認が必要になることがあります。承認されるまではコメントは表示されません。そのときはしばらく待ってください。)