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悔悟保険

 三条市の介護保険料は県内20市でもっとも高い。「もっと下げろ」との声は多いものの、巧妙な「保険」の形が作られているために、市レベルでの引き下げは現実的には難しい。
 介護保険の被保険者は、40歳から64歳までの第2号被保険者と、65歳以上の第1号被保険者に分けられている。2号被保険者の保険料は全国一律で、健康保険組合などを通じて徴収されている。
1号被保険者の保険料は市町村ごとに決め、年金から天引きされたり、個別に徴収されている。
 三条市の65歳以上の保険料は平均月額4767円。県内35市町村のなかでは粟島浦村に次いで2番目に高い。県平均と比べると836円、21・3%も高くなっている。
 高い理由は地域単位の保険だからだ。介護保険は訪問介護から特別養護老人ホームまでの各種介護サービスにかかる費用を、利用者と行政、被保険者で負担する仕組みになっている。利用者の負担は11割。残りの9割のうち50%を国、県、市町村が、31%を40歳から64歳までが、19%を65歳以上が負担する。
 三条市の場合、18、19、20年度の3年間に介護サービスにかかる費用から、利用者負担の1割を差し引いた額の19%分を65歳以上人口で除した結果、65歳以上の保険料が20市最高の平均月額4767円となった。
 負担割合が決められているのだから、市町村に実質的な裁量権はない。介護サービスの利用が増えれば保険料は自動的に高くなり、減れば安くなる仕組みだ。
 65歳以上のなかで要支援や要介護と認められた人の比率を示すのが介護認定率。三条市は16・9%で、県内20市では糸魚川市に次いで2番目に高く、県平均より1・2ポイント高い。
 認定者が多ければサービスを利用する人も多くなる。高齢者1人あたりの介護サービス費用は年間2万4606円。県内20市では小千谷市に次いで2番目に高く、県平均より4833円、24・4%も高い。
 利用が多いのは需要が多いだけでなく、サービスの提供体制が整っているということでもある。事実、三条市には訪問介護、訪問看護、デイサービス、ショートステイなど居宅サービス系はもちろん、施設サービスも特別養護老人ホームが五施設、老人保健施設が四施設、療養型医療施設が三施設ある。人口規模から見て整備が進んでいると言われている。
 総費用に対する65歳以上の負担割合が決まっている以上、保険料を下げるにはサービス利用を減らすしかない。かといって、現実に需要があるなかで「あなたは訪問介護を利用しないで下さい」「施設を退所して下さい」などということができるわけがない。
 地域の高齢者が使った介護サービスの費用は、その地域の高齢者全体で負担しろというのが介護保険。この仕組みを変えない限り、サービスを良くしようと努力すればするほど、サービスを利用していない健康なお年寄りの保険料まで上がってしまう。まるで学校の部活動などによくある「連帯責任」のようだ。
 粟島浦村のような人口の少ない地域は、施設入所者が数人増えただけで、他のお年寄りの保険料が大幅に上がってしまう。あたかも国の言うことを聞かずに合併しなかった地域に対する嫌がらせのようだ。
 「介護保険」は国から見た言葉。地方にとっては「悔悟保険」ではないだろうか。(スキップビート30 1月4日付け三条新聞)

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