民主主義のコスト
民主主義はコストがかかる。11月5日告示、12日投票の三条市長選挙に向けて、市は選挙費用4210万7000円を追加補正した。
選挙でもっとも費用がかかるのが人件費。12日午前7時から午後8時までの13時間にわたって市内53か所で行われる投票には369人、同日午後9時から厚生福祉会館で行われる開票には170人が従事する予定だ。この投開票嘱託員報酬だけで1612万4000円かかる。
各投票所の投票管理者・立会人報酬は159人分で181万9000円、投開票事務以外の市職員の時間外勤務手当は542万1000円、臨時職員賃金は63万9000円となっている。
人件費以外ではポスター掲示場設置委託料が384万円、分類機などの機器調整や不在者投票などの手数料が235万4000円、投票用紙などの印刷費が138万9000円、通信料が163万9000円などとなっている。
各陣営の選挙用はがきとポスター印刷費、街宣車使用料は公費負担となる。これらの経費として市は立候補者が4人となるまで対応できるよう479万2000円を予算計上した。
合計費用4210万7000円に対して、国県からの補助はない。全額が市費負担となる。国は市長や市議の任期が4年であることから、市長選、市議選の経費の4分の1を毎年、地方交付税として交付しているが、今回のような任期途中での臨時的な選挙があっても、交付税額を増やすことはない。
昨年6月の前回市長選でも市は4139万4000円を予算計上した。このときは無投票だったため、実際の支出はポスター掲示場設置委託料などの574万9000円にとどまった。ちなみに国からの交付税は、無投票だったからといって減らされることもない。
今回も無投票になれば支出は600万円前後にとどまるが、いまのところ、そうはならないようだ。
ところで開票はどうしても即日でなければならないのだろうか。昨年3月、横浜市が市長選の開票を16年ぶりに翌日に回した。財政難の折、職員手当など約3200万円の経費削減になるからとの理由だった。
公職選挙法は第65条で開票を「すべての投票箱の送致を受けた日又はその翌日に行う」と定めている。翌日開票でも公選法違反にはならない。しかし第6条で「各選挙管理委員会は、選挙の結果を選挙人に対してすみやかに知らせるよう努めなければならない」とも定めてある。横浜市の翌日開票に対しては「すみやかに知らせる努力」と経費削減のどちらを優先すべきかについて、市民の間でも政党間でも賛否両論があった。
三条市の場合、市長選を翌日開票に回すと、事務に従事する市職員は通常の勤務時間中となるため、開票嘱託員報酬の153万円が不要となる。
結果判明が半日遅くなるからといって、結果そのものが変わったり、行政に支障をきたすわけではない。即日、翌日、どちらを望む市民が多いだろうか。(スキップビート21 10月13日付け三条新聞)