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三位一体改革

 小泉純一郎首相が今月で退任する。5年間続いた小泉政権の検証があちこちで始まっている。高い支持率を保ち続けたということは、それだけ評価する人が多いということなのだろうが、地方の立場からすると、首相が唱えた「三位一体改革」はまやかしにすぎなかったといわざるを得ない。
 三位一体改革は小泉構造改革の目玉のひとつだった。国から地方への補助金削減、交付税見直し、税源移譲。これを同時に行うというもので、首相は「明治以来の制度の大転換だ」と訴えてきた。
 てっきり地方分権の流れが加速するものと思った。平成7年に地方分権推進法、11年には地方分権一括法が成立した。緩やかであっても流れはできていた。そこに構造改革を唱える小泉首相が登場した。中央集権的な官僚統制国家という日本の構造を変えるための三位一体改革、それが首相の言う「明治以来の大転換」の意味だと宣伝された。
 結果は散々だった。補助金削減は、国が地方をコントロールする力を弱めることが目的とされていた。削減額は4兆4000億円。ところが大半は補助率引き下げにとどまり、国が地方を縛る仕組みは温存された。
 地方交付税も5兆円減った。削減額は合わせて9兆4000億円。これに対して国が地方に移した税源はわずか3兆円。差し引き6兆4000億円も地方の財政は悪化した。
 何のことはない。国の仕事を安全保障や外交、治安、教育、社会保障といった国家的な問題に限定し、それ以外の国民生活や地域づくりに関することを地方自治体に任せるという、本当の地方分権は進まず、中央集権体質はそのまま。借金で首が回らなくなった国が、地方に回す金を減らしただけのことだった。一時期、三位一体改革をめぐって財務省と総務省が対立しているかのような報道もあったが、いま思えば官僚同士、あるいはその周囲にいる族議員同士による茶番劇だった。
 三位一体改革で三条市の財政はどうなったか。この三年間で削減された補助金は保育所運営費や児童手当など主に福祉関係の10億1726万2000円に達する。地方交付税は18億9235万9000円も減った。これに対して国から移譲された税源は所得譲与税の7億519万5000円だけ。3年間で差し引き22億442万6000円も財源が減った。
 小泉政権はいわゆる「骨太の方針」でも地方分権を訴え続けてきた。昨年も「仕事の流れを変える~国から地方への改革」を進めるとしていた。ことしは「骨太の方針」の目次から「地方分権」や「国から地方へ」の文字が消えた。構造改革における地方分権とは、その程度のものだったのか。
 ポスト小泉政権は、本当の地方分権、国と地方の構造改革に取り組んでくれるだろうか。パフォーマンスや言葉遊びに惑わされたいようにしなければならない。(スキップビート16 9月13日付け三条新聞)

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