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緑のリサイクルセンター

 ものやサービスの価格は売り手と買い手のバランスで決まる。行政にはこの原則が通じない。三条市の「緑のリサイクルセンター」は無理な価格設定などによって、施設能力の3割以下の利用にとどまっている。
 同センターは市内で生ずるせん定枝を堆肥にするための施設。廃棄物処理法改正でせん定枝などの野焼きが禁止されたことを受けて平成16年度、代官島地内の2,000平方㍍に1億6247万9000円で建設、17年4月に供用開始した。果樹、造園などのせん定枝を焼却せず、堆肥にして農地に戻すことで環境に優しい循環型農業を目指している。
 市内の果樹、造園業者から出るせん定枝は年間およそ900トン。市はそれに合わせて年に900トンのせん定枝を受け入れ、450トンの堆肥を作れる設備を同センターに整えた。17年度、同センターに持ち込まれたせん定枝は255・8トン。処理能力のわずか28・4%でしかない。こんな状態が続けば「1億6000万円の無駄遣い」と言われかねない。
 原因の第一は料金。同センターではせん定枝10キロ当たり80円の持ち込み料を徴収している。福島新田の三条市清掃センターの場合、持ち込み料は運搬車の積載量によって0・5トン未満なら1400円、1トン未満なら2800円などとなっている。満杯に積めば10キロ当たり約28円。同じせん定枝10キロを清掃センターでごみとして燃やせば自己負担は28円、リサイクルセンターに持ち込めば3倍近い80円。趣味でやっているならともかく、果樹や造園を生業としている人たちに「環境のため」と求めても、そうは続かない。
この結果、17年度の料金収入は188万円にとどまった。対する運営経費は813万円。建設費や減価償却を除いても、差し引き625万円の赤字だった。
 料金を高くするなら、それに見合う魅力を持たなければならない。同センターの場合は堆肥。枝を持ち込んだ人に堆肥を無料で返すことにしている。良い堆肥が手に入るなら果樹農家もせん定枝を持ち込む。現状は「どんな農薬を浴びた枝が入っているのか。果樹の堆肥に使うには不安」「松脂臭くては果樹には使えない」と敬遠されている。
 市農林課は「堆肥作りでは半年ほどの熟成期間を設けている。農薬はその間に消える。専門機関にも確認しており問題はない」と説明。ようやく料金の見直しや松脂臭対策などの検討も始めた。
 行政サービスなのだから採算性は度外視してもいいという感覚は改めなくてはならない。まして昨今は環境ビジネス流行りでもある。同センターは持ち込み料だけに頼っていては赤字だが、良い堆肥作りに努め、堆肥を売り出す努力を続ければ黒字も夢でなくなる。保内公園・緑の相談所など市の施設で市民向けに販売する方法もあれば、ホームセンターなどに販路を広げる方法もある。
 価格設定、品質向上、販路開拓。どれも市内の民間事業所が日々、取り組んでいることだ。市役所がそれを見習い、汗をかいても罰は当たらない。(スキップビート12 8月12日付け三条新聞)

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