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特別支援教育

 三条市内の小学校で、教室を抜け出した一年生が行方不明となり、職員総出で学区内を探し回る騒ぎがあった。教師の言うことをまったく聞かず、授業中に勝手に教室を出入りする児童も珍しくなくなっている。
 学級参観でクラスの実態を初めて知って驚いたという保護者も多い。以前はこうした児童の行動を「わがままだ。しつけがなっていない」と、育て方や環境に問題があるとされた。いま、こうした子どもたちは「発達障害児」と呼ばれ、中枢神経系に何らかの機能障害があると分析されている。
 発達障害には、知的発達に遅れはないものの読み書き、計算、推論といった能力のうち特定分野だけが苦手な「学習障害(LD)」、注意力が弱く、じっとしていられない「注意欠陥多動性障害(ADHD)」、他人と社会的関係を築くことが苦手で興味や関心が狭く、特定のことにこだわる自閉症のうち、知的発達の遅れを伴わない「高機能自閉症」や「アスペルガー症候群」などがある。
 文部科学省は通常学級に通う児童生徒の6・3%にこうした障害があるとしている。30人学級なら1、2人、40人学級なら2、3人の在籍率となる。三条市教育委員会によると市内小学校の通常学級で、医師に発達障害と診断された児童は14人。疑いはあるが診断を受けていない児童もいるため、実数はそれよりかなり多いと思われる。
 三条市は平成16年度からスクールアシスタントを導入した。1日4時間、週3日ペースで登校し、教師を補佐してもらう制度で、初年度は44人を市内22の小中学校に配置した。学校教育の充実と、地域と学校のパイプ役を期待しての導入だったが、実際はアシスタントの大半が発達障害児の指導支援に回っている。教師だけでは手が足りないのだ。アシスタントの需要は年々増加、現在は33校に77人を配置するまでになっている。
 国はこうした状況に対応するため、従来の特殊教育を今年度から特別支援教育に切り替えることにした。特殊教育が特殊学級などでの障害児教育中心だったのに対し、特別支援教育は通常学級に通う発達障害児も対象とする。個々の児童に合わせた個別指導計画などを作るほか、校内委員会を設置するなどして全校体制で取り組む。名称も特殊学級は特別支援学級、養護学校は特別支援学校に改め、県立月ヶ岡養護学校などの特別支援学校には地域の特別支援教育をバックアップするセンター的機能を持たせる。
 新しい制度がどの程度、効果を発揮するのかはまだ分からないが、学校が抱えている問題は特別支援教育だけではない。普段、問題を抱えているようには見えない児童生徒が突然、キレる。ベテラン教師がしっかりまとめているように見える学級が、ちょっとしたことで崩壊寸前に追い込まれる。いずれにしろ、学校は一昔前とは違っている。「教師の力量が低いからだ」「親の家庭教育がなっていないからだ」と責任を押し付けあっても、何も解決しない。
まずは保護者が、地域が、学校の実態を正確に知ることだ。(スキップビート8 7月18日付け三条新聞)

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