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激安入札

 三条市の入札をめぐり、関係業界に激震が走っている。税金を効果的、効率的に使いながら地元業界の育成を図る。この理想を実現するのは簡単ではない。
 市は平成14年度、県や県内他市町村に先駆けて建設工事の入札を、それ以前の指名競争から制限付き一般競争に切り替えた。指名競争とは、市が選んだ業者しか参加できない入札制度。制限付き一般競争入札は「県内に本社、本店、営業所がある」といった一定の条件を満たしていればだれでも参加できる制度。入札の透明性、公平性を高めることが目的で、談合防止策でもある。
 今年度からは建設工事にとどまらず、設計や地質調査などの業務委託にも制限付き一般競争入札を導入した。その結果、業務委託入札は競争が激化し、予定価格に対する落札価格の比率が大幅に低下。ことし5月19日には予定価格の54・18%で落札する業者が現れ、5月31日には44・67%、36・84%、6月15日にはついに25・82%で落札する業者が現れた。
 建設工事の入札では品質低下などを予防するために最低制限価格制度を設け、それ以下の価格では契約しないことにしている。業務委託の入札にはこの制度を設けなかったため、予定価格の4分の1という極端に安い価格で発注することになった。
 落札できなかった他の業者の応札価格を見ると、市の予定価格の設定が高すぎたようにも見えない。格安で発注できるのだから、税金を効率的に使うという面だけ見れば落札率は低いに越したことはない。しかし事故続発のエレベーターのような「安かろう悪かろう」でも困る。こうした落札率が続くようなら、これまで以上に検査体制の強化などによる品質確保に注意しなければならない。採算を度外視したような激しい競争が長引けば、設計の際に納入業者が特定される特殊な部材を仕様書で指定し、後日、工事施行時に納入業者からリベートを受け取って設計の赤字分を穴埋めしようとする設計業者も出かねない。市にとってかえって高い買い物になるようことを阻止するためのチェックも必要になる。
 なぜ格安で受注できるのか、市の技術者が納得できる説明を受けたうえで契約する仕組みも必要だろう。安いから発注したが、受け取り後、鉄筋が少ないことが分かったでは耐震偽装マンションの被害者と同じ目に遭ってしまう。また説明を受けることで、きちんとした見積もりもせずに予定価格から一定率をかけて入札し、落札後に帳尻合わせを考えるような雑な業者も排除できる。
 格安での落札は市外業者に多い。公共事業費の総枠が減るなか、入札改革で市外勢の参入が増え、競争がより激化したことで、下請け、孫請けを含めた地元業者からは悲鳴が上がっている。ことし1月には改正独占禁止法施行で談合に対する課徴金が引き上げられ、内部通報制度も導入された。新潟市の官製談合事件で県内大手が談合決別宣言を出したことで、さらに競争が激化するのではとの不安も抱えている。
 地元建設業界のいまが「冬の時代」とすれば、災害関連工事が終わる3年後からは「氷河期」となるかもしれない。(スキップビート6 7月5日付け三条新聞)

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