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スクールバスの格差は情報力? 判断力?

 下校途中の児童が誘拐、殺害されるという悲惨な事件が全国で相次いでいることから、三条市内でもスクールバス導入を求める声が強まっている。
 取り組みの早さでは隣の加茂市が有名。先進地として全国に紹介された。加茂市がスクールバスを導入したのは昭和46年。当初は防犯のためというより、学校まで遠い子どもたちの負担軽減のための導入だった。防犯目的に切り替えたのは、奈良で女児誘拐殺害事件が発生した翌年の平成17年4月。それまで15台だったバスを一挙に24台に増やし、遠距離に限らず人家が途切れた地域、人通りが少ない地域を通る子どもたちのための運行も始めた。
 三条市では旧栄、下田地域の一部で遠su距離通学用のバスを運行しているだけ。万が一のとき防犯ブザーを鳴らしても近くに人家がなく、子ども一人ではどうしようもない地点、冬期間は雪に足を取られながら車道を歩かなければならない地点などを通る子どもの保護者がバス運行を求めているが、教育委員会は防犯目的の運行について「地域の子どもたちは地域で守ることが基本」と消極的だ。熱心に防犯パトロールに取り組んでくれている地域もあるが、学校から3、4キロ離れた小さな集落までボランティアでカバーするのは容易ではない。
 スクールバスに対する補助金は、遠距離通学用バスを導入する山間へき地や、市町村合併に伴う学校の統廃合を行った地域に対し、バス購入費の半額を補助する程度にとどまっている。だから三条市は導入に二の足を踏んできた。
 実は国の財政支援はそれだけではない。補助金とは別に地方交付税として、スクールバスを運行している市町村に人件費や燃料費などが交付されている。金額は一律で、1台当たり582万5000円。実際の運行にいくらかかろうと、この金額は変わらない。ここがミソ。
 スクールバスの運行日数は年間200日前後。朝と夕だけだから正職員でなくても対応できる。運行経費は年間300万円もあれば十分だろう。実費がいくらでも交付税額582万5000円は一律だから、実費が300万円なら、その差額282万5000円は市の儲けとなる。3、4年もすればマイクロバスの購入費ぐらい十分賄える。10年経てば次のバスの買い替え費用まで用意できる。
 官僚出身の小池清彦加茂市長はこうした仕組みを熟知している。だからこそ昨年、一挙に9台も増やしたのだろう。
 地方交付税は全体として削減の方向にある。スクールバスの運行支援がいつまで続くかは分からない。となるとバス導入は早い者勝ちとなる。三条市のように「検討する」を繰り返していると、「ようやく導入を決めましたが、交付税措置はなくなったので全額自腹で運行します」となりかねない。
 スクールバスに関する加茂市と三条市の違いは、情報力と意思決定のスピードの差と言わざるを得ない。三条市教育委員会、しっかりしてください。(スキップビート5~6月30日付け三条新聞)

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