« 取り残された県央 | メイン | スクールバスの格差は情報力? 判断力? »

まずは1・5次救急から

 県央の救急医療問題を解決するには、初期、第二次、第三次各レベルの救急医療体制の整備を考えなければならない。
 第一の問題は患者の状態に応じ、それに見合ったレベルの救急医療機関に搬送する「振り分け」ができていないこと。入院の必要がない初期レベルの患者が二次医療機関に搬送され、二次で対応できる患者が重篤患者対象の三次の救命救急センターまで運ばれている。その結果、二次医療機関は一次レベル、救命救急センターは二次レベルの患者の対応に追われ、本来、担当すべき業務に支障をきたしている。
 三条市医師会の草野恒輔会長は「救急医療専用病床を10ベッド程度備えた、内科、小児科、外科系の3科を持つ一次救急施設を設置すれば、現在の状況をかなり改善できる。一次救急に来院される患者の90%はそこで処置できるので、二次、三次施設への転送は他の10%ですみ、専用病床が満床のために救急患者を受け入れられないといった事態が減る」と説く。
 この構想を実現させるには県市などの公的支援はもちろん、開業医、勤務医を含めた地域の医療関係者の協力が不可欠となる。
 県央への救命救急センター設置については、設置場所と県立病院の統廃合問題がからんでくる。17年度の県立加茂病院の赤字は5億3800万円、吉田病院は6億2200万円。前年度と比べて加茂は1900万円、吉田は7300万円増えている。県内15の県立病院の累積赤字は372億6000万円に達している。
 県は地域要望の強い救命救急センターの整備と引き換えに、お荷物となっている赤字病院を整理しようとしている。魚沼圏のセンターとなる魚沼基幹病院の新設も、県立小出、六日町、十日町各病院を廃止または民営化し、魚沼基幹病院自体も公設民営とすることを前提としている。
 先日、高橋三条市長と草野三条市医師会長が泉田知事と面談し、県央への一次救急施設と救命救急センターの設置を求めた。
 知事は一次救急施設について、県立病院の医師の派遣は無理だが、県央地域の民間の医療関係者の協力を得て開設するなら県として財政的な応援はする、ぜひ頑張ってほしいと前向きな姿勢を示した。
 県央の救命救急センターについて、知事は「県立加茂、吉田両病院を廃止するなら、公設民営の救命救急センターを県央に設置してもいい」との考えも示した。
 加茂、吉田両病院の存続と、救命救急センターの新設のどちらを選ぶのか。どちらも望むことは無理なのか。加茂、吉田の県立病院としての存続が無理なら民間病院として残す道はないのか。救命救急センターの設置場所はどうするのか。加茂、吉田両病院を廃止するとしたら国道289号線や403号線バイパスなど救命救急センターへのアクセス改善を県は進めてくれるのか・・・。
 検討しなければならない課題は多い。最後の決断は首長たちがするにしても、県央の住民が考え、意見を伝えることが大切だ。
(スキップビート4~6月26日付け三条新聞)

トラックバック

このエントリーのトラックバックURL:
http://sugihit.com/cgi/mt/mt-tb.cgi/29

コメントを投稿

(いままで、ここでコメントしたことがないときは、コメントを表示する前にこのブログのオーナーの承認が必要になることがあります。承認されるまではコメントは表示されません。そのときはしばらく待ってください。)