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取り残された県央

 三条市の病院では市内の救急患者を措置しきれず、多くの患者が県央地域外まで運ばれていること、119番通報から長岡、新潟の病院に収容されるまでには平均して約1時間もかかっていることなどを前回記した。
 新潟や長岡で倒れた患者はすぐに適切な医療によって助けられる。県央で倒れた患者は同じ程度の脳や心臓疾患でも病院収容までに時間がかかりすぎ、手遅れになってしまう。こうした地域格差が現実のものとなっている。医療体制の整備が喫緊の課題だ。
 救急医療体制には初期、第二次、第三次の三段階がある。初期救急医療機関とは在宅当番医や、県央四医師会が三条市医師会館で運営している夜間応急診療所などのことで、外来診療が基本だ。
 第二次救急は入院治療を必要とする重症患者を担当する医療機関。県央では厚生連三条総合病院、済生会三条病院、三之町病院、燕労災病院などによる病院群輪番制で対応している。
 第三次救急は第二次では対応できない重篤な患者に対して高度な医療を総合的に提供する医療機関で、救命救急センターと呼ばれている。
 厚生労働省は、この三段階の救急医療機関を体系的に整備し、「原則として第二次救急医療機関は二次医療圏単位で、第三次救急医療機関は概ね人口百万人単位で整備を図る」との方針を示してきた。現実は、増え続ける患者数に対して体制整備が追いつかず、一次、二次で診るべき患者までが三次に殺到、三次本来の役割である重篤患者の措置に支障をきたす状態に陥っている。「救命救急センターは百万人単位で」などと悠長なことを言っていられなくなっている。
 新潟県は昨年、県内の二次医療圏を13圏域から7圏域に見直した。県央圏をなくす案もあったが、地元要望を受けて残した。新しい7圏域のうち、新潟には新潟市民病院、中越には日赤病院、上越には県立中央病院に救命救急センターがすでにある。下越ではことし11月、県立新発田病院に救命救急センターが設置される。魚沼でも仮称魚沼基幹病院の具体的な設置検討が始まった。7圏域のうち救命救急センターの計画すらないのは県央と佐渡だけだ。
 泉田知事はことし2月県議会で「新たな二次医療圏では県央と佐渡を除く5圏域に救命救急センターが設置されることになる。残る2圏域の整備は今後、ヘリコプターのさらなる活用など隣接圏域のセンターへのアクセス改善も含めた総合的な検討を行い、30分以内に救命救急センターに到着できる体制づくりに努めたい」と述べ、県央への設置の有無について、明言は避けた。
 三条、燕、加茂、田上、弥彦の県央五市町村の人口は24万7000人。魚沼の19万7000人はもちろん、下越の23万5000人も上回っている。追い越された県央。このままでいいわけがない。(スキップビート3 6月19日付け三条新聞)

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