2019年08月17日

地元が一番!

 TBSテレビ『マツコの知らない世界』という番組が枝豆を特集していた。
 全国の豆を食べ歩いたという豆探検家の女性が山形の「だだちゃ豆」や青森の「毛豆」、兵庫の「丹波篠山黒枝豆」などを紹介していた。
 新潟産は「おつな姫」がちらりと映っただけだった。
 枝豆や野菜などの美味しさを左右するのは品種だけではない。栽培時期や鮮度によっても味は大きく変わる。
 いくら丹波の黒豆が美味しいといっても、本来は10月が適期の品種をいまごろ食べて美味しいわけがない。
青森や山形などの枝豆も、東京のスタジオまで運ぶ間に鮮度は落ちてしまう。
 県央で朝採った「湯あがり娘」をすぐにゆでて食べたときの香りや甘みにかなうわけがない。
 私たちが地元で食べている旬の枝豆、ナス、キュウリ、トマト、モモ、ブドウの美味しさ。
 これこそ「マツコの知らない世界」ではないだろうか。

 地元びいきついでに言うと、ラーメンも遠くの有名店はたまに行くだけで十分。地元が一番うまいと思う。

 最高気温が40度を超えた日も地元のラーメン店で、首に巻いたタオルで汗をふきながら大油ラーメンを食べた。
 この店はチャーハンもうまい。強烈な火力で炒めたパラパラの食感と、チャーシューから染み出る塩味がたまらない。
 主力メニューのラーメンが700円なのに対してチャーハンは800円。主力よりも100円高いのは、鍋を振って素早く作る技術料なのかもしれない。

 若いころはラーメンとチャーハンの両方を食べていたが、いまは無理。
 いつもどちらにするか悩んだ末に、背油を振りかけた太めんのラーメンを食べている。
 猛暑日は2人で行ったのでラーメン2人前のほかにチャーハンを1人前頼み、分け合って食べた。
ラーメンと一緒に食べるチャーハンがまたうまい。
 口の中に残る背油のこってり感を、パラパラのチャーハンが一掃してくれる。
 そこにまたラーメンのスープを流し込むと、炒めたコメがさらに違う味になる。
 ラーメンと餃子は主従のような関係だが、この店のラーメンとチャーハンはどちらも主役級の最強コンビになる。
 枝豆もラーメン店も、県外の有名銘柄、有名店より地元が一番だ。

2019年08月14日

自己責任

 東京で働いている幼馴染からラインで連絡が来た。
 「きょう午後7時に東三条駅に着く。予定ある?」。
 いつも突然なのだ。久しぶりだったので「東三条周辺で飲もうか」となった。
 駅近くの店で先に飲み始めた。生ビールが空になっても来ない。
 どの電車で来るのか時刻表を調べたら、信越本線は上下線とも午後7時ちょうどに到着する電車がない。 電話をしたら「いまタクシーの中だ。見附のあたりにいる。もうちょっとで着く」。見附にいて「もうちょっと」はない。相変わらずいい加減な奴だ。

 幼馴染は柏崎での仕事を終え、柏崎駅から信越本線の普通列車に乗った。
 列車は長岡行きだった。長岡駅で新潟行きに乗り換え、午後7時すぎに東三条駅に到着する予定でいた。
 長岡駅が終点なのだから乗り過ごす心配はないと安心したのがいけなかった。
 車内で熟睡したらしい。
 気付いたら車内の乗客は自分ひとり。電車の走り方もいつもと違って、いやにゆっくりだった。
 「おかしい」と思って運転席まで行き、ドアをノックすると運転士の方が驚いた。
 結局、宮内駅近くにある車両基地の長岡車両センターまで行って降ろしてもらい、そこからタクシーで三条まで来たという。

 「運転士が若い奴でさ。『長岡駅に行きたかったんですか』とか聞くんだよ。車両基地に行きたいわけないのにな、オレ、鉄道オタクじゃないんだから」。
 でも、寝過ごしたお前が悪いんだから。
 「終点で乗客全員が降りたか確認しないのかって聞いたんだよ。そしたら運転士はムッとして『ワンマンですから』とか言ってた。そういうルールなのか知らないけど、乗客には関係ないからね」。
 いや、寝過ごす方が悪いんだって。
 「車両基地に向かう列車の速度が異常に遅いんだよ。途中で降ろしてくれと頼んだけど『ダメです』。もっと早く走ってくれと頼んでも『ダメです』。意地悪だよなぁ」。
 寝過ごさなきゃいいだけなんだって。

 車両基地から長岡駅まで戻っても、7時すぎに東三条駅に到着する電車には間に合わない。やむを得ずタクシーに乗ったが、料金は1万円だった。
 新幹線で燕三条駅まで来て、そこからタクシーに乗った方が早くて安かったなと言うと
 「あっ、そうか。あいつはそういうことも教えてくれなかったんだよ」。
 車内では自分で起き、車外では自分で考えよう。

2019年07月27日

ニコ二胡ニコ

 二胡(にこ)は、2本の弦を弓で弾く中国の伝統的な弦楽器だ。
 原型は唐の時代からあり、共鳴箱となる胴にはニシキヘビの皮、弓には馬の尾毛が使われている。
 中国・上海出身で日本の共立女子大を卒業した二胡奏者チェンミンさんが先日、三条市の真宗大谷派三条別院(東別院)本堂でコンサートを開いた。1曲目は二胡の独奏。2曲目からはギターとアコーディオンも加わってトリオで全15曲を演奏した。
本堂の戸を開け放ち、扇風機を回しながら夕方スタートのライブ。外が明るいうちは救急車やオートバイなどが走る音が聞こえたが、暗くなるに連れて本堂ならではの厳かな静けさの中での演奏となった。

 二胡は弦が2本しかないのに音域は広い。3オクターブを軽く超える。
 音色も豊かで、ときには太く、本堂の柱も揺らしかねないように響き、ときには繊細で華麗な、澄み切った高音を鳴らした。
 二胡という楽器が素晴らしいのか、チェンミンさんだからこれほど表情豊かな演奏になるのか。
 人間の声とはまったく違う音なのに、人が歌っているようにも聴こえる。京劇の滑稽役のようなコミカルな話し方もあるが、圧巻は『風林火山~異郷情』のようなドラマチックな展開の曲だ。
 壮大な情景を描き出し、英雄たちの激情を表すように朗々と歌い上げる。
 ギターとアコーディオンとのトリオでこの迫力なのだから、ピアノやオーケストラと組んだら、どれほどのスケールになるのだろう。

 本堂の畳に座ったり、低い椅子に腰かけて聴いているのだから、二時間にわたって同じ体勢を保つのはきつい。
 足はしびれ、尻も痛くなる。
 隣の年配の女性たちは足を伸ばしながら
 「これ、何という曲だったっけ?」
 「『花の首飾り』らて」などと話している。
 「チェンミンさんて何歳らろっかね」
 「五十歳ぐらいじゃないの?」
 「なにね~!三十歳ぐらいに見えるねかて!」といった声も聞こえてくる。演奏中に。
 雑談は演奏の合間に済ませ、演奏中は静かにしてほしかったが、足も痛いし、場内は暑い。
 クラシックのように静かに聴く環境ではなかったのだろう。
 次はコンサートホールで聴いてみたい。

2019年07月05日

カタツムリとナメクジ

 カタツムリとナメクジ。
 殻があるか、ないかの違いでしかないのに、若い女性の反応は全く異なる。
 カタツムリだと「かわいい~」、
 ナメクジだと「やだ、気持ち悪い」。
 ナメクジがかわいそうだ。
 清少納言まで「いみじうきたなき物、なめくぢ」と『枕草子』に書いている。ナメクジは平安時代から嫌われてきたのに、殻を背負ったカタツムリは「朝やけがよろこばしいか蝸牛」と小林一茶の句に詠まれ、「でんでんむしむし~」と文部省唱歌にまでなった。
 まるでカタツムリがイケメンなら、ナメクジは不細工な中年おやじ。どちらにシンパシーを感じるかといえば圧倒的にナメクジだ。
 若い女性から「きもい」「きたない」と言われている者同士、手を取り合って頑張って生きていきたい。
 ナメクジの手がどこにあるのか知らないが。

 同じ軟体動物門復足網の生き物でありながら、なぜカタツムリはかわいくて、ナメクジは「きもい」のか。

 「服を着たおっさんと、服を着ていないおっさんの違いみたいなものだ」と若者は言うかもしれない。たしかに服を着ていないおっさんは見たくない。
 ただ、生物学的にはナメクジが殻を背負ってカタツムリになったのではなく、カタツムリが殻を捨ててナメクジになったとされている。二億年ほど前のことだ。ナメクジはカタツムリの進化系なのだ。
 なぜナメクジは殻を捨てたのか。
 カタツムリの殻はヤドカリのように、どこかから拾ってきたものではない。生まれたときからついている体の一部だ。
 殻には外敵や乾燥などから体を守ってくれるというメリットがあるが、殻を作り、体の大きさに合わせて維持し続けるためには相当の栄養分を費やさなければならないというデメリットもある。
 ナメクジは重くて邪魔な殻なんかのために貴重な栄養を使いたくない、外敵の攻撃に弱くなっても、湿っぽい場所でしか活動できなくなってもいいから、少ない栄養でも生きていけるように殻を捨てたのだ。
 マイホームのローン返済のため一生懸命に働き続けているのがカタツムリ、家はないけど借金もない自由な生活を選んだのがナメクジというわけだ。
 ナメクジがうらやましくなってきた。

2019年07月03日

音楽は数学系だった!

 「音楽にばかり夢中になっていないで、ちょっとは勉強しなさい!」と中学生や高校生のころ、よく言われた。
 言う方も、言われる方も音楽と勉強はまったく別のものだと思っていた。大昔は違っていたらしい。
 「ピタゴラスの定理」で知られる古代ギリシアの哲学者ピタゴラスが紀元前6世紀に創設した教団では、本科生に算術、幾何学、天文学、音楽の数学系4科を、聴講生には文法、修辞学、論理学の言語系3科を教えていたという。
これをプラトンが受け継いでアカデメイアという学校で教えるようになった。
紀元5世紀の帝政ローマ時代には、これらの学問を自由7科と呼ぶようになった。

これがいま「一般教養」と訳されているリベラル・アーツの起源だ。
「リベラル」は自由、「アーツ」は技術という意味。
古代ギリシアや帝政ローマ時代には奴隷階級があった。
自由人(非奴隷)になるためには、一定の教養が必要だった。それが自由7科。算術や幾何学、天文学、音楽、文法、修辞学、論理学を学ぶことが自由人になる条件のひとつだったという。


音楽がなぜ数学系4科に含まれているのかというと、ピタゴラスが音楽は数学の仲間と考えていたからだ。
ピタゴラスは三平方の定理を発見しただけでなく、音階の発明者でもある。
哲学や数学の天才が音程の研究を始めたきっかけは、散歩で鍛冶屋の前を通りかかったとき、鍛冶職人が金属をハンマーでたたく音のなかに、きれいに響き合うものと、そうでないものがあることに気付いたからだという。天才はさっそくハンマーの重さや、共鳴箱の上に張った弦の長さによる音の違いを調べ、音程は数の比で表されることを見つけた。
それも1対2、2対3、3対4といった整数比のときだけ美しく響き合うことを発見した。
美しい和音は美しい数字で表すことができるというわけだ。

音階も和音も数字、もちろん4、8、16拍子などのリズムも数字。
音楽と数学は深い関係にある。
これを若いころに知っていたら「鍛冶のまち三条の生徒が音楽に夢中になるのはピタゴラスからの伝統だ」と言っていた。
「じゃあ幾何や文法など他の六科を勉強するまで自由がなくてもいいんだな」と言われたら困るが。

2019年06月22日

県議会で初の一般質問

 6月21日に県議会では初めてとなる一般質問を行いました。
 質問事項は
 「県央基幹病院について」
 「県と市町村の役割分担等について」
 「地場産業と観光について」
 の3項目です。

 県央基幹病院については、花角知事より
 「民間病院等との役割分担を踏まえ、県央基幹病院、加茂、吉田病院の機能と規模等について一体として議論していく」「基本整備計画はこれまで地元医療機関や新潟大学、県医師会関係者などによる議論を積み重ねて策定したものであり、尊重すべきものと認識している」
 スケジュールについては福祉保健部長より
 「整備基本計画に定めたスケジュールに支障がないよう検討を行い、開設手続きを進めたい」
 との答弁がありました。

 県央基幹病院に関しては、診療科目など多少の変更はあるとしても、大幅な見直しにはならないよう今後も訴え続けたいと思っています。

 質問要旨は以下の通りです。

 「県央基幹病院について」

Q 県央地域は11年も前から「県央にも救命救急センターを併設した基幹病院を設置してほしい」と求めてきた。協議を重ね、間もなく着工という段階になって、県の財政難から見直し論が出てきた。県央では救急患者の4人に1人が地元の病院に受け入れてもらえず、圏域外まで運ばれている。圏域外搬送率は県内七つの二次医療圏のなかで県央だけが桁違いに高い。その結果、県央の救急患者が医師の手当てを受けるまでの平均時間は、県平均より10分以上遅い。緊急時の10分間は長い。新潟、長岡なら助かる命が県央では助からないという状態を解消するために、早急な設置を求めてきたのが救命救急センター機能を併設した県央基幹病院であり、他の病院改築要望などとは重要度がまったく違うこと、他に変わる代替策がない要望であることを理解してほしい。
 この計画は県主導のもと、地元の医療、行政関係者などが協議を重ねて作り上げてきた。救命救急センターを運営するには各分野の専門医など多くのスタッフを確保しなければならず、多くのスタッフを抱えて健全な運営を続けるためには一定規模以上の規模が必要となる。また既存病院との役割分担なども検討したうえで整備基本計画ができた。これを主導してきた県が、財政難という次元の違う問題でちゃぶ台返しをするようであれば、県央地域住民の強い反発を招きかねない。整備基本計画を見直すこともあり得るのか。この計画に盛り込んだ県央基幹病院の機能や規模は、県民の命を守るために不可欠なものではないか。

知事 県の財政が危機的状況にあるなかで、平均在院日数の短縮などによる医療需要の減少、新専門医制度や医師の働き方改革などの医療制度改革の影響など、整備基本計画策定時からの状況変化を踏まえた検証が必要と考えている。民間病院等との役割分担を踏まえ、県央基幹病院、加茂、吉田病院の機能と規模等について一体として議論していく。整備基本計画見直しの有無も含めて、今後、地元医療機関や新潟大学、県医師会関係者などからなる検討の場を設置し、年内を目途に検討を進めたい。基本整備計画はこれまで地元医療機関や新潟大学、県医師会関係者などによる議論を積み重ねて策定したものであり、尊重すべきものと認識している。しかしながら計画策定時以降の状況変化や行財政改革推進会議での議論などもあることから、今後、医療関係者等とともに検証していくことが必要と考えている。


Q県央地域医療構想調整会議の開催が遅れているが、令和5年早期開院のスケジュールに支障は生じないのか。

福祉保健部長 県としては整備基本計画に定めたスケジュールに支障がないよう検討を行い、開設手続きを進めたいと考えている。

Q医師を確保するためにも中小病院ではなく、基幹的病院が必要ではないか。

知事 医師確保のために基幹的な病院を整備することもひとつの方法と考えているが、様々な取り組みを総合的に推進していくことが必要。臨床研修医の確保や修学資金貸与医師の医師不足地域の病院への配置、勤務環境の改善など総合的な取り組みにより、医師確保や偏在解消を図りたい。

Q県央基幹病院の建設予定地の近隣に来年、仮称三条看護・医療・歯科衛生専門学校が開校する。看護師確保のために、基幹病院と看護線学校の連携を考えるべきではないか。

知事 県央基幹病院はじめ県央地域の医療機関等におけるスタッフの確保先のひとつになるものと期待している。三条市が設置する専門学校も含め、県内看護系学校との連携を広く検討していく。

Q県央基幹病院を持続可能な医療体制とするために、どのような運営主体が適切と考えているのか。

知事 地域に必要とされる政策的医療の担保や、再編対象病院との円滑な統合を図るため、県の一定の関与が可能な財団法人等を基本とし、県地域医療推進機構を含め、幅広く検討を進めている。政策的医療が安定的に提供されるとともに、柔軟な医師派遣、医師確保や民間ノウハウを活用した効果的、効率的な病院経営が可能となるよう運営主体を検討していく。

Q周辺のアクセス道路整備の見通しはどうか。須頃郷の雨水排水のために中ノ口川の管理直轄化を図れないか。

知事 県としても直轄編入の検討を国に求めている。いずれにしても信濃川、中ノ口川の河川改修推進など、引き続き当該地域の浸水被害軽減に向け、関係機関と連携して取り組みたい。

土木部長 国道289号燕北道路や国道403号三条北道路等の整備に取り組んでいる。403号三条北道路は延長約8.3㎞の事業区間のうち、これまでに約3.5㎞を部分供用し、残る区間の用地買収を昨年度までに完了、全線で工事着手している。県央基幹病院の開院時期を見据えながら鋭意、供用に取り組んでいく。

 「県と市町村の役割分担等について」

Q地方分権一括法の成立から20年。一連の地方分権改革の評価はどうか。

知事 国から地方への権限移譲など一定の進展が図られてきた。国の役割を、国家としての存立にかかわる事務など本来、国が果たすべき役割に限定していくことや、地方財源の確保、「従うべき基準」の廃止など、解決すべき課題はいまだ多い。全国知事会を通じ、国民の合意を得ながら地方が十分な権限と責任の下で地域の実情に応じた行政を展開できる、あるべき地方自治の姿に向けて着実に取り組んで行くことが重要だ。

Q県と市町村の役割分担があいまいになっている部分がある。整理が必要ではないか。

知事 重複の解消を図ってきたが、今後も必要に応じ、役割分担を明確化し、整理していきたい。

Q県と市町村の二重行政の解消、役割分担の明確化などに向けた調査検討機関を設置すべきではないか。

知事 現状、市町村から事業の重複などを指摘する声は上がっていないが、今後、役割分担を整理する必要が生じた場合には、市町村長とのブロック別懇談会や市長会、町村会との定期協議など既存の会議体を活用して検討していきたい。

Q除雪や舗装補修といった道路管理の市への権限移譲を検討してはどうか。

知事 県の骨格を成すような広域的な基幹道路は市が管理主体となっても効率化が図られるとは限らないが、まちづくりの一環として管理を希望する市に対し、協議により広域道路ネットワークを阻害しない範囲で国県道の一部について権限移譲を行った事例もある。今後も国県道の権利要望に対しては、広域道路ネットワーク確保の観点とまちづくり等の観点を勘案し、権限移譲について検討していきたい。

Q大阪府は政令市のほか豊中市など五市町で構成する法定協議会に教員人事権を移譲している。地域に移譲すれば先生も異動範囲が狭まり、落ち着いて教育に取り組めるし、子どもたちは地域の歴史や文化に精通した先生から教えてもらうことができ、保護者も地域に詳しい先生に安心して子どもを任せられるのではないか。

教育長 現在、教職員の居住地には偏りがある。このような状況で法定協議会などに人事権を移譲すると、地域によっては人事異動が膠着化するおそれがあり、県全体の教育水準の維持向上という観点から慎重に考えるべきと認識している。

 「地場産業と観光について」

Qインバウンドを考えたとき、地場産業はより魅力的な観光資源となる。硬い鋼と柔らかい鉄を張り合わせたあわせ鋼で作った刃物の硬さと鋭利さは、欧米のものとは比べ物にならない。あわせ鋼による刃物は日本独自の、世界に誇るべき文化。これを体験できるのは三条市の鍛冶道場など、日本国内にも数か所しかない。訪日外国人旅行者が体験型観光を求めているなか、あわせ鋼による刃物づくり体験を世界にPRしていこうという三条市の取り組みを県も側面支援できないか。

知事 あわせ鋼による刃物づくり体験は日本独自の伝統的な技術を体験したいという外国人のニーズに対応した観光資源であり、外国人の誘客に効果的であるだけでなく、三条刃物のブランド化や販売促進にもつながる。県としても観光コースに組み込んだ商品造成を海外の旅行会社やメディアに積極的に提案するなど、三条市の取り組みを支援していく。

Q新潟に行けば常に地場産業や伝統産業のイベントが開かれているとなれば、東京から新潟という訪日客のルートもできる。地場産業を観光資源のひとつと位置付けたインバウンド対策を推進すべきではないか。

知事 産業観光は外国人旅行者からのニーズが高いことから観光資源のひとつと位置付け、プロモーション活動を展開している。今後も酒蔵見学や燕三条工場の祭典など、ものづくりの現場における職員との交流や伝統技術の体験など、本県地場産業の魅力を積極的に発信し、インバウンド拡大を推進したい。

Q熟練した技術の継承者が不足している。技術が次世代に受け継がれず、消えてしまえば二度と取り戻せない。地場産業や伝統的工芸品産業の技術継承にどう取り組んでいくのか。にいがた県央マイスター制度に、弟子の給料相当分を支援する技術継承支援補助金といった支援制度を組み合わせられないか。

産業労働部長 金属加工や繊維などの地場産業において、後継人材の確保育成が課題のひとつと認識しており、熟練技能者を企業に派遣し、実技指導などを通して高度技能を持つ人材の育成に努めるとともに、県立テクノスクールなどにおいて若年技能者の育成を行っている。県が給料などを支援することについては、費用対効果や県の関与のあり方などを慎重に考える必要がある。

2019年06月19日

人手不足と外国人材

 首都圏の飲食店に入ると、店員の多くが外国人だ。日本人と思って「注文していい?」と声をかけると、「チョットマッテテネ」と言われ、発音を聞いて初めて外国人と気付くこともある。
 新潟でも今後、外国人雇用が増えていくのだろうか。

 県が今春、県内企業2000社を対象に「外国人材の受入れに関するアンケート調査」を行った。
 人員の充足状況の問いには65.5%が「やや不足している」「不足している」と回答、人手不足感が強まっている。とくに建設業では73.7%が「不足」と回答、求人難が深刻化している。
 外国人については「雇用したことがない」が73.6%を占めたが、「現在、雇用している」は15.4%、「現在は雇用していないが、過去に雇用したことがある」も10.5%あった。合わせると25.9%。すでに4社に1社が技能実習などの名目で外国人雇用を経験していることになる。
 外国人を雇った理由は「人手不足に対応するため」が多く、「勤勉な勤務態度が期待できるため」「専門的知識・技能等を有する人材を確保するため」「社会活性化が期待できるため」「海外事業に新規に取り組むため」などもあった。

 今後については「雇用するつもりはない」「現在は雇用しているが、雇用を中止したい」など、外国人雇用に否定的な企業は36.9%にとどまった。
 「雇用を継続したい」「雇用する計画がすでにある」「条件が合えば雇用してもよい」といった外国人雇用に積極的な企業が34.1%を占め、「これから検討する」も含めると55.6%が前向きな姿勢を示している。

 初めて外国人を雇用しようとする企業は「うまくコミュニケーションを図ることができるだろうか」「生活習慣のギャップを乗り越えられるだろうか」「地域の理解は得られるだろうか」といった不安を抱えながら、煩雑な事務手続きと、宿舎の手配も含めた受け入れ準備を進めることになる。
 日本人を雇った方が簡単なのだろうが、例えばハローワーク三条のことし4月の有効求人倍率は2.01倍。昨年6月から11か月連続で2倍を超え続けている。国内に働き手がいないのだから、外国から来てもらうしかない。