諸橋漢字検定を!
三条市庭月、諸橋轍次記念館で年3回、漢字能力検定が行われている。財団法人日本漢字能力検定協会による検定で、県央の小学生などが挑戦している。検定のランク設定は10級から準1級、1級までの12段階。入門クラスの10級は「糸」「森」など小学校一年生レベルの漢字の読み書きができれば合格。1級の問題は「城砦」の読み方や「しょうゆ」「おびただしい」の書き取りなどで、約6000字の読み書きや対義語、類義語、四字熟語などの理解度が試される。ちなみに正解は「じょうさい」「醤油」「夥しい」だ。
平成20年度の受験者は延べ289万人、合格者は151万人。同協会では大学や短大、高校入試などで漢字検定の取得を人物評価基準としている学校も多いとしている。珠算や簿記などと比べれば歴史は浅い。同協会は昭和50年に任意団体として発足し、漢字検定を始めた。創設者の大久保昇前理事長は漢字の権威だったわけでも何でもない。松下電工を脱サラして貸しビル業を営んでいたが、そのビル内に漢字塾が入っていたことから漢字検定を思い付いたという。
平成4年には当時の文部省認定の検定となり、組織も任意団体から財団法人に改組。各省庁の認定試験制度が廃止された後も、文科省後援の検定であり続けた。7年には「今年の漢字」の募集を始めた。1年を振り返り、その年の世相を漢字1文字で現すアイデアと、京都の清水寺で発表するスタイルがマスコミに受け、定着した。18年には携帯ゲーム機のニンテンドウDS用の漢字検定ソフトも発売、ヒットさせた。
儲かりすぎたのだろう。同協会が京都市内の豪邸を購入していたり、前理事長親子のファミリー企業との不明朗な取り引きなどが問題となり、文科省は昨年、検定試験の後援を取り消すとともに、成績優秀者に対する文科相賞の授与も取りやめた。その直後には前理事長親子が背任の疑いで逮捕されている。
「検定も独占はよくない。ライバルがいて切磋琢磨した方が、受験者のメリットになる。漢字検定も日本漢字能力検定協会に独占させておく必要はない。漢字と言えば三条の誇りである大漢和辞典の諸橋轍次先生。漢学の里を拠点に、新たな漢字検定を興すべきだ」と説く地元経済人がいる。面白いアイデアだ。諸橋博士の三男で三菱商事社長、会長を務めた諸橋晋六氏の力も借りて実現できないものだろうか。
