2010年02月07日

諸橋漢字検定を!

 三条市庭月、諸橋轍次記念館で年3回、漢字能力検定が行われている。財団法人日本漢字能力検定協会による検定で、県央の小学生などが挑戦している。検定のランク設定は10級から準1級、1級までの12段階。入門クラスの10級は「糸」「森」など小学校一年生レベルの漢字の読み書きができれば合格。1級の問題は「城砦」の読み方や「しょうゆ」「おびただしい」の書き取りなどで、約6000字の読み書きや対義語、類義語、四字熟語などの理解度が試される。ちなみに正解は「じょうさい」「醤油」「夥しい」だ。
 平成20年度の受験者は延べ289万人、合格者は151万人。同協会では大学や短大、高校入試などで漢字検定の取得を人物評価基準としている学校も多いとしている。珠算や簿記などと比べれば歴史は浅い。同協会は昭和50年に任意団体として発足し、漢字検定を始めた。創設者の大久保昇前理事長は漢字の権威だったわけでも何でもない。松下電工を脱サラして貸しビル業を営んでいたが、そのビル内に漢字塾が入っていたことから漢字検定を思い付いたという。
 平成4年には当時の文部省認定の検定となり、組織も任意団体から財団法人に改組。各省庁の認定試験制度が廃止された後も、文科省後援の検定であり続けた。7年には「今年の漢字」の募集を始めた。1年を振り返り、その年の世相を漢字1文字で現すアイデアと、京都の清水寺で発表するスタイルがマスコミに受け、定着した。18年には携帯ゲーム機のニンテンドウDS用の漢字検定ソフトも発売、ヒットさせた。
 儲かりすぎたのだろう。同協会が京都市内の豪邸を購入していたり、前理事長親子のファミリー企業との不明朗な取り引きなどが問題となり、文科省は昨年、検定試験の後援を取り消すとともに、成績優秀者に対する文科相賞の授与も取りやめた。その直後には前理事長親子が背任の疑いで逮捕されている。
 「検定も独占はよくない。ライバルがいて切磋琢磨した方が、受験者のメリットになる。漢字検定も日本漢字能力検定協会に独占させておく必要はない。漢字と言えば三条の誇りである大漢和辞典の諸橋轍次先生。漢学の里を拠点に、新たな漢字検定を興すべきだ」と説く地元経済人がいる。面白いアイデアだ。諸橋博士の三男で三菱商事社長、会長を務めた諸橋晋六氏の力も借りて実現できないものだろうか。

2010年01月23日

救命救急 魚沼を追い越せ!

 県央の救命救急センター設置事業が大きく前進した。救命救急センターを併設する基幹病院等のあり方検討会議(仮称)第3回知事・市町村長・医療関係者等合同会議が18日に県庁で開かれ、同センターの形態をセンター単独型ではなく、病院併設型とすることで合意したのだ。同会議のメンバーは知事と三条、燕、加茂、田上、弥彦の市町村長、県央4医師会、7病院の代表。次回は診療科目とベッド数を協議し、ことし3月末までに案を固めることで一致した。
 昨年8月、11月に続く3回目の合同会議では、協議前に新潟大学大学院救命救急医学分野の遠藤裕教授の講演を聴いた。県央の救急搬送は頭部、循環器、呼吸器、消化器の中等症患者の2割から3割、交通事故などによる中等症以上のけが人の4割が、新潟や長岡など県央以外の医療機関まで運ばれている。遠藤教授はこうした状況を踏まえ、県央の救命救急センターには専従医師が最低2人、循環器、脳神経、麻酔各科の医師が最低各3人、神経、整形外、小児、産婦人各科の医師が最低各2、3人は必要と説いた。
 医師数は最低限19人から23人は必要ということになる。それだけの医師を抱える医療施設を運営するには、ある程度のベッド数がなくては経営が成り立たない。それ以前に、それだけの医師数を確保するには福利厚生面だけでなく、若手の医師がさまざまな症例を学ぶ機会を確保するためにも、一定以上の規模が必要となる。遠藤教授は県央の救命救急センターは20ベッド、併設病院は500ベッド前後が適当ではないかとの考えを示した。
 形態は決まった。診療科目とベッド数も3月末までに決めることになった。その後はいよいよ設置場所と運営形態の協議となる。場所に関する県央の各首長の意見は異なっている。いまの段階ではそれぞれが「うちの地域に」と主張するのはやむを得ない。運営形態も県など行政が設置して行政が運営する公設公営、行政が設置するが運営は民間が担う公設民営、設置も運営も民間で行う民設民営のどれがベストか、一概には言えない。これからの検討となる。一致しているのは「県央には救命救急センターが必要であり、できる限り早く設置した方が良い」という点だ。
 県央は魚沼より人口が多いのに、救命救急センター整備に関しては魚沼に先を越された。魚沼は公設民営で平成23年着工、27年開院と決まっている。県央も環境は整いつつある。関係者が住民の命を守るために真剣に話し合えば、魚沼を抜き返すことも不可能ではない。

2010年01月08日

スクールバス

 三条市はことし4月からスクールバスの運行を全面的に見直す。現状は市町村合併以前のまま。旧三条にはスクールバスがなく、遠距離の子どもたちは路線バスや市内循環バスを利用している。旧下田では森町小、飯田小、長沢小、下田中で、旧栄では栄北小で市直営のスクールバスを運行、栄中では保護者がスクールバスを運行している。市直営の利用は無料。路線バス利用者への補助は運賃の半額だけで、残りは自己負担。栄中のバスも保護者負担がある。こうした不公平を解消するとともに、子どもたちの安全確保のために、スクールバス運行地域を全市に拡大することにした。
 エリア拡大と同時に運行基準も見直す。現在、スクールバスを利用できる子は、小学生は自宅から学校までの距離が概ね4㌔以上、中学生は概ね6㌔以上に限っている。小学1年生と6年生では体力がまったく違う。夏と冬では日暮れの時間も違う。夏は快適な田んぼ道が、冬の吹雪いた日などは道路と水路の見分けも付かない危険な道になる。
 来年度からは子どもたちを小学1、2年の低学年、3年から6年までの高学年、中学生の3グループに分け、夏期と冬期で運行基準を変えることにした。夏期は4月から11月までの8か月。小学低学年は概ね3㌔以上、高学年は4㌔以上、中学生は6㌔以上を対象とする。12月から3月までの冬期は、さらに対象を拡大し、小学低学年は概ね3㌔以上、高学年も3㌔以上、中学生は4㌔以上とする。
 この見直しによって来年度から夏期には新たに井栗小、西鱈田小、大崎小、大島小、栄中央小、大面小でもスクールバスを運行することになる。加えて冬期には第四中、本成寺中、大島中、栄中でも市直営バスを運行する。対象児童生徒数は現在の5校256人から新年度夏期は11校310人に、冬期は15校807人に増える。
 スクールバスに関しては、「歩かせた方が強く、健康な子になる」という意見もある。その集落で育ち、自分も歩いて学校に通った父親にこうした意見が多い。その家に嫁いだ母親は「こんな危ない道を歩かせるなんて」と心配する。第一は交通事故。歩道も整備されず、除雪も十分でない地域となると、市も反論できない。不審者への懸念もある。人家から離れた暗い道を歩かせたくない親の気持ちも分かる。
 第一中学校区に小中一貫一体校を造る計画がある。四日町小、南小、条南小を統合することになれば、通学対策も必要になる。それらも見込んでのスクールバス運行の見直しだ。一貫校はモデル学区だけの問題だと思っていたが、思わぬ影響が全市に波及した。

2010年01月02日

謹賀新年

 新年 明けましておめでとうございます。
 昨年は大勢の皆様のお世話になりました。心から感謝申し上げます。
 新年は三条市議選の年です。
 前回市議選で訴えた救急医療体制に整備については、前進はしましたが、まだ目標達成に到っていません。一次医療を担う応急診療所は草野恒輔三条市医師会長をはじめとする県央4医師会の先生方のご尽力によって昨年4月に開所されましたが、救命救急センターは本格的な協議が始まったばかりです。センター実現に向けてさらなる努力が必要です。
 また市議会刷新に関しても、定数削減は実現はしましたが、削減数はわずか4人。議会のあり方を抜本的に見直したとは到底言えない、単なる経費削減のための定数減にとどまっています。市の意思決定機関である市議会は、スリムで機能的、必要なことは迅速に決められるものでなければ、多様化する市民要望に応えられません。3か月に1回しか開かない定例会主義から、いつでも予算や条例を迅速に審議、決定できる通年議会に変えるべきです。
 4月の市議選に向け、決意を新たに頑張りたいと思います。
 ご指導ご支援の程、よろしくお願い致します。

2009年12月24日

岐路に立つ奨学金制度

 不況のため学費の滞納や、経済的理由による高校、大学の中退が増えているという。親が倒産、失業したために進学をあきらめざるを得なかった子どももいる。長岡藩の米百俵ではないが、意欲と才能のある若者が、経済的理由で進学をあきらめるようなことがあってはならない。社会の損失を防ぐためにも、経済的に厳しい学生たちを社会で支えてやるべきだ。
 三条市が奨学金を設置したのは昭和30年。三条市出身の日魯漁業創立者の実弟、堤清次郎氏から寄付された100万円を原資に、その運用益を高校生の支援に充てた。60年には市民有志が三条市奨学金育成会(坪井正康会長)を結成、3年にわたり募金活動を展開した。集まった善意は1億3626万円。これによって支援対象を大学生まで広げることができた。
 現在、三条市は高校生に月額9600円を支給している。返済の必要はない。支給額は公立高校の授業料を目安としており、授業料の値上がりに伴って来年4月以降は9900円とする。
 大学・短大・専門学校生には月額3万円を貸与している。こちらは卒業後、返さなければならない。返済期間は卒業2年目からの10年間。ただし三条へのUターン促進のため、三条市内に住むか、市内の事業所で働く利用者は、返済を全額免除している。
 市は奨学金利用希望者を毎年募っている。新規枠は高校生が25人、大学生などは15人。大学などの場合、月額3万円では魅力がないのか、枠に達しない年もある。今年度の利用者は高校生が新規、継続合わせた全学年で73人、大学生などは34人。高校生への支給と、大学生などへの貸与を合わせた年間必要経費は2064万9600円。これに対して、かつて奨学金を利用した社会人の返済予定額が700万円。差し引き1365万円が不足する。
 この不足分を奨学基金の運用益で賄えれば問題はないのだが、現在の基金残高は2億6417万円。運用益は年利0・1%で264万円。これで不足額をカバーしようとしても1100万円足りない。やむなく基金を取り崩している。平成20年3月に約2億8700万円だった基金残高が、わずか1年半で2200万円も減った。
 今後も低金利が続けば基金はさらに減り続ける。大学生などへの貸与額の増額も求められている。鳩山政権は高校生のいる世帯への助成方針を示している。その機会に、三条市の奨学金のあり方も見直さなければならない。

2009年12月22日

時代遅れの公選法

 鳩山政権はホームページの更新など、インターネットを活用した選挙運動を解禁する方針を固めたという。原口一博総務相が解禁に向けた問題点の整理を総務省に指示した。小沢一郎民主党幹事長もネット利用や戸別訪問の解禁など、選挙運動の自由化に向けた公職選挙法改正が必要との考えを示している。
 他国ではネットの選挙活用は常識となっている。米国では平成12年の大統領選で600万人のアドレスリストを確保した共和党のブッシュ陣営が選挙期間中、効果的なメールを発信し続けたことで当選した。昨年の大統領選では民主党のオバマ陣営がネットでメッセージを発し続けたほか、大量の小口献金をネットで集め、活動資金を調達した。韓国でも平成15年の大統領選では盧武鉉(ノ・ムヒョン)陣営のホームページに1日40万件のアクセスと7000件の書き込みがあったという。
 日本の公選法は「文書図画の頒布」を制限している。法定のちらしやポスター以外の文書を不特定多数に配ると選挙違反になる。総務省はネット上での文書公開もこれにあたり、ブログを含めて選挙期間中の更新は認められないとしてきた。ネットを活用すれば、さほどの経費をかけずに候補者は多くの有権者に主張や公約を伝えることができる。
 有権者も各候補者の詳細な政見を自宅などで手軽に知ることができる。候補者と有権者の意見交換も可能だ。ネットの選挙活用が公選法違反だとしたら、公選法は「表現の自由」を保障した憲法違反だとの指摘もある。
 民主党は過去4回、ネット選挙解禁に向けた公選法改正案を国会に提出した。その都度、自民党はネットの普及率が低い、匿名性を利用した中傷合戦になりかねないといった理由で改正に反対、改正案を廃案にしてきた。ネットを利用できる人と、そうでない人との有権者間の情報格差が生じるのではないかとの懸念、匿名でネットを悪用した選挙妨害が行われるのではないかとの心配があることは事実だ。だからといって、利用禁止はない。自動車が発明されたが交通事故が心配だから禁止する、ストーブはあるが火事が心配だから冬でも使わせないと言っているようなものだ。
 事前運動や戸別訪問の禁止など、公選法には候補者と有権者を遠ざけるための多くの規制がある。欧米では戸別訪問が民主主義を機能させる大事な活動と位置付けられているのに、日本は候補者が有権者宅を回って政策を訴え、支持を求めることを禁止している。公選法をしっかり守ると、有権者は各候補者の詳しい主張を知らないまま、投票することになる。羹(あつもの)に懲りて膾(なます)を吹くような公選法はさっさと改正すべきだ。

2009年12月20日

よってげ邸裁判

 おかしな判決もあるものだ。三条市の農業体験学習施設「よってげ邸」内でけがをした女性が、三条市などに損害賠償を求めた裁判で、新潟地裁新発田支部は三条市などに約190万円を支払うよう命じた。施設の管理責任を問われた市に落ち度があったと認められたことになる。市の施設内でけがをしたのだから、市にも責任があるというわけだが、このケースは一般的な施設利用とは違う。想定外の使われ方をしている。
 事故は合併前の平成16年12月11日午後10時30分ごろ、当時の下田村早水地内のよってげ邸で起きた。下田出身などの男性10人が宿泊を申し込み、忘年会を開いていた。男性たちは女性コンパニオン4人を呼んで酒を飲んだ。コンパニオンが来ることを施設の管理人は知らず、コンパニオンたちは事故の時点で施設使用の申し込みもしていなければ使用料も払っていない。
 邸内には男女別の浴室がある。それぞれ2、3人で利用する程度の広さしかない。男性たちは風呂の利用も申し込んだため、管理人は男性用の浴室を掃除しておいたが、酒に酔った男性たちが自分たちで湯を張ったのは女性用。しかも男性4人、女性2人の計6人が一緒に浴室に入り込み、湯をかけあうなどして騒いだ。
 その結果、浴室の窓がサッシごと落ち、ガラスが割れて女性が左肩や腕、ももを切るなどのけがをした。女性は救急車で三条市内の病院に運ばれ、手当てを受けたが、傷跡が残った。女性は昨年6月、施設管理者である三条市と男性のうち1人を相手取り、連帯して327万円余を支払うよう求めて提訴した。
 よってげ邸は農業体験や農業者とのふれあい交流を通じ、農業に対する理解を深めてもらうための施設。大崎山のグリースポーツセンターなどと同じく学校やクラブ、地域団体などの合宿や研修といった利用を想定している。条例でも「公の秩序又は善良な風俗に反するおそれがあるとき」や「建物及び設備等を損傷するおそれがあるとき」は施設の使用を許可しないことになっている。「使用者は、許可を受けた目的以外に使用し、又はその権利を譲渡し、若しくは転貸してはならない」と目的外使用も禁じている。勝手にコンパニオンを呼び入れたり、コンパニオンと風呂で騒ぐための施設では、もちろんない。
 許可なく施設に入り、想定外の使い方をした人がけがをした場合でも、施設の管理責任を問われるとは驚いた。小学校に侵入した泥棒が、窓ガラスが割れてけがをしたから損害賠償しろと言っても認められるのだろうか。三条市は東京高裁に控訴した。